今回はシックハウス症候群についての話です。
シックハウス症候群は、ホルムアルデヒドのような化学物質によって引き起こされる、
頭痛や疲労、鼻水、吐き気のことです。
しかし、近年では自宅やオフィスに漂うカビや細菌などのアレルゲンも、
シックハウス症候群の要因になっていることが注目されています。
今回はそんなカビや細菌によって引き起こされるシックハウス症候群の対策についてです。
なぜ室内のカビや細菌によってシックハウス症候群が起こるのか?
なぜ室内のカビや細菌によってシックハウス症候群が起こるのでしょうか?
屋内でカビや細菌が増えやすいのは、壁や天井の裏です。
屋内で増えたカビや細菌は、生存して増殖するために、室内の有機物質を分解します。
その際に、MVOC(微生物由来揮発性有機化合物:Microbial Volatile Organic Compounds)という
揮発性の有機化合物を空気中にまき散らします。
そして、まき散らされたMVOCが、私たちの体にシックハウス症候群などの症状を引き起こすのです。
特にカビから発せられるMVOC(カビ毒)の悪影響は大きく、1998年には、
米国小児学会が1歳以下の幼児は、カビの多い建物に近寄らないように勧告を出しています。
また、アメリカの環境保護庁が2007年に行った調査でも、
全米の喘息患者のうちの21%はカビ毒が原因だという結論が出ています。(1)
また、シックハウス症候群で有名なリッチ―・シュメーカーの研究によると、
一般的なビルや家屋がカビ毒に汚染されている確率は50%を超えるそうです。
また、屋内のカビや細菌について、以下のようにも述べられています。(2)
人間は自然環境のなかで暮らし、動物たちと触れ合いながら進化してきた。
近年まで、人類の住居は木材や土、ワラ、動物のフンなどで作られていた。それに比べて、現代の住居はプラスチックやコンクリートで作られており、換気も良くない。
そのため、人間にとって有益なバクテリアがコロニーをつくれないのだ。
つまり、今の住居は昔と比べて換気がよくなく、
悪いカビや細菌が増殖する環境になってしまっているのです。
シックハウス症候群の対策
シックハウス症候群の対策としては、以下のようなことを意識すればよいです。(1)
・部屋の換気を常に行う
・水回りのトラブルはすぐに解決する
・部屋の雨どいは定期的に掃除する
・部屋の湿度は30~50%に保つ
・空気清浄機を置く
・室内での喫煙は行わない
特に重要な対策は、水回りのトラブルの解決です。
排水管や水道管が何らかの障害を受けると、
その後24~48時間で大量のカビ毒が発生するとされているからです。
また、空気清浄機を置くことで、簡単にシックハウス症候群を予防することができます。
空気清浄機には様々な種類がありますが、
「HEPA」と呼ばれているフィルターを搭載しているものであれば、何でもよいです。
HEPAフィルターは、0.3マイクロメートルの物質を99.7%除去する性質を持っています。
室内の空気清浄機としては、最高の機能のフィルターだといっても良いでしょう。
ちなみに私が使っている空気清浄機は以下です。
ワンルームに住んでいるので、小さな空気清浄機を使っています。
可愛くて、インテリアとしてもお勧めできます。
ではでは。
シックハウス症候群を予防して、健康的な、アクティブな生活を送るようにしましょう。
参考文献
(1)最高の体調 ~進化医学のアプローチで、過去最高のコンディションを実現する方法~ (ACTIVE HEALTH 001)
(2)Ritchie Shoemaker Surviving Mold: Life in th Era of Dangerous Buildings