高校生や大学生で、よく「自分が分からない…」ということを言っている人がいます。
そこで多くの人は「自分探し」というものをしてしまいます。
自分探しとは「私の人生は、この生き方でよいのだろうか…」と悩んで正解を探すことです。
確かに、今は昔とは違って多くの生き方が存在します。
大企業に就職しなくても、個人として大成功することだってできます。
(例えばYoutuberとかが一番イメージしやすい成功した個人です)
しかし自分探しを続けたばかりに、転職ばかりして安定した職を得ることができないこともあります。
貴重な時間を無駄にしてしまうこともあります。
はっきり言って自分探しで期待通りの結果を得ることは少ないです。
逆に時間を無駄にして、さらに自分が分からなくなってしまうケースが本当に多いのです。
そこで今回は自分探しの状態にある人のために、
「アイデンティティ・キャピタル(アイデンティティの資産)」という考え方を紹介します。
アイデンティティ・キャピタルとは?
アイデンティティ・キャピタル(アイデンティティの資産)とは、
「時間をかけて身につけた、自分の価値を高める経験やスキルのこと」です。
例えば…
・学位や仕事、テストの成績、クラブ活動、資格のように、履歴書にかけるようなこと
・話し方、住んでいる地域、問題の対応力、外見や印象など、個人的な経験
などがアイデンティティ・キャピタルです。
簡単に言えば、アイデンティティ・キャピタルは「自分がどのようにして自分を築いてきたのか」という証です。
個人がすでに持っている資産こそが、アイデンティティを形成するのです。
自分探しとアイデンティティ・キャピタルキャピタル
「自分が分からない…」という状態をアイデンティティ・クライシス(アイデンティティの危機)と呼ぶのですが、このアイデンティティ・キャピタル(資産)とアイデンティティ・クライシス(危機)は実は同時に存在するのです。
多くの20代は、まずアイデンティティ・クライシスを解消するために自分探しを行うのですが、そうではありません。
クライシス(危機)とキャピタル(資産)は同時に対処すべきことなのです。
自分探しをするだけではなく、アイデンティティ・キャピタルになるような経験を獲得しようとする人こそが、本当の自分を理解することができるのです。
結局何をすべきなの?
ここまでをまとめてみると、
ということです。
臨床心理学者のメグ・ジェイは、アイデンティティを得るための手段として以下のことを勧めています
つまり、個人を形成する資産となるようなものを得るために行動するのです。
また、メグ・ジェイは以下のようなことも述べています。
つまり、就職の道を開いてくれるような、就職の経験になるようなことが、私たちの人生を決めるのです。
このことを踏まえてみると、何か行動するなら、アルバイト(非正規雇用)ではなく、ちゃんとした形での就職の方がよい、ということが言えます。
ただし、全てのアルバイトが悪いというわけではありません。
自分にスキルを与えてくれるようなアルバイトを選ぶべきなのです。
例えば、飲食店の営業員のアルバイトは、自分に何かを与えてくれるでしょうか?
飲食店のバイトで得られるものと言えば、、、接客の仕方?営業の仕方?
など、イマイチしっくりきませんね。
もちろん得られるものがないわけではありませんが、得られるものが少ない、というのが事実でしょう。
自分に多くのスキルを与えてくれるようなことを、アルバイトにすべきなのです。
また、アルバイト(非正規雇用)を続けて、楽な状態で道を歩んでいると、深刻な抑うつやうつに悩まされる確率が高くなるといわれています。
その理由は、アルバイトでぶらぶらしている間に、正規雇用で前進するチャンスを得ている多くの人々に差をつけられたと実感するからです。
もっと早くにちゃんとした職についておくべきだったと、後悔してしまうからです。
まとめ
ここまでいろいろ言ってきましたが、
ということです。
自分探しで資産を獲得する機会を逃すのではなく、
資産を獲得するために社会に積極的に関わることでしか自分というものは分からないのです。
自分はここにいます。
自分はどこか遠い場所にいるのではないのです。
あなたの今の行動が、自分を作っていくのです。