今回は食物繊維についての話です。
食物繊維はお通じの改善や、コレステロール値の改善などの効果があることが有名ですが、
それ以上に、心臓疾患の予防や早期死亡率の低下に関わっていることが明らかになっています。
なんと1日の食物繊維の摂取量が10グラム増えるごとに、早期死亡率が11%も低下する、
という驚きのデータまで出ています。
今回は、食物繊維の驚きの効果についてです。
食物繊維を取るためにオススメの食品やサプリメントも紹介していきます。
目次
食物繊維の驚きの効果
食物繊維の効果については、
2015年に中国の病院が約150万人のデータを分析したメタ分析があります。(1)
分析の結果、以下のようなことが分かりました。
食物繊維の摂取量が多い人は、少ない人と比較して…
・心疾患になる確率は23%低い
・癌になる確率は17%低い
・早期死亡率は23%低い
ことが分かりました。
さらに、食物繊維を1日10グラム摂取するごとに…
・早期死亡率が11%低下
・心臓病になる確率が20%低下
・虚血性心疾患になる確率が34%低下
・癌になる確率が9%低下
ということが分かっています。
つまり、食物繊維の摂取はお通じの改善やコレステロール値の改善以外にも、
心臓病、がんの発症確率を下げて、死亡率を大幅に低下させる効果があることが分かったのです。
食物繊維の摂取量を増やすために
食物繊維の摂取量を増やすためには、野菜や果物の摂取量を増やすことが基本です。
食物繊維には水溶性の食物繊維と、不溶性の食物繊維がありますが、
特に摂取すべきは水溶性の食物繊維です。
水溶性の食物繊維は腸内細菌の好物で、腸内環境の改善につながるからです。
水溶性の食物繊維は野菜や果物以外に、
・ゴボウ
・海藻類
・納豆
・こんにゃく
などに多く含まれています。
また、不溶性の食物繊維は
・玄米
・豆類
・キノコ類
・繊維の多い野菜
などに多く含まれています。
1日の食物繊維の摂取量は24グラムが理想とされています。
現代の日本人の食生活では食物繊維は不足する傾向にあるので、
意識的に食事から摂取するようにしましょう。
ちなみに私はブルーベリーをよく好んで食べています。
ココアにも食物繊維が多く含まれているのでオススメです。
ブルーベリーなら1日100グラム、ココアなら1日5~6杯を飲むようにすればよいでしょう。
おすすめの食物繊維のサプリメント
食物繊維をすべて食事から摂取できれば良いのですが、なかなか難しいのが現状です。
そこで、食物繊維のサプリメントを使うことも考えてみてください。
代表的な食物繊維のサプリを以下に紹介します。(2)
ただし、食物繊維を摂取しすぎると、お腹がゆるくなったりするので、
食物繊維のサプリは1日15グラムからスタートして、
だんだんと摂取量を増やしていくようにしましょう。
1.難消化性デキストリン
トクホ飲料などに多く使われているのが「難消化性デキストリン」です。
小麦の製造過程で余った繊維を使っているので、比較的安価で手に入ることが特徴です。
難消化性デキストリンは、特にお通じの改善に効果があるとされています。
2.オオバコ(サイリウムハスク)
オオバコの種子から作られる食物繊維です。
オオバコの趣旨の70%は水溶性の食物繊維だと言われています。
オオバコの摂取でリーキガットが改善されたり、糖尿病の改善がみられることが報告されています。
リーキガットについては以下を参考にしてください。
3.イヌリン
フルーツと野菜に多く含まれる食物繊維です。
イヌリンは、特にダイエットに効果があるとされている食物繊維です。
4.レジスタントスターチ
レジスタントスターチは小腸で吸収されないデンプンの一種で、腸内細菌の大好物です。
レジスタントスターチの主な効果は、腸の壁を守る酪酸という物質を多く作り出すことです。
リーキガットにも効果が期待できます。
以上、食物繊維の驚きの効果やおすすめの食物繊維でした。
参考文献
(1)Liu L1, Wang S, Liu J. Fiber consumption and all-cause, cardiovascular, and cancer mortalities: a systematic review and meta-analysis of cohort studies.
(2)最高の体調 ~進化医学のアプローチで、過去最高のコンディションを実現する方法~ (ACTIVE HEALTH 001)