人は自分と似たものや自分を連想させるものを好きになります。
自分と共通点が多い人、同じ部活に所属している人、同じ趣味を持っている人などと仲良くしたいし、好きになりたいと思うものなのです。
そして、この「似たものを好きになる」という効果は「自己相似の効果」とも呼ばれるのですが、人の性質だけでなく、名前の一部分が入っているだけで好感度は増します。
今回はそんな「似たものを好きになる」という人の性質についてです。
人は自分自身を連想させるようなものを好きなる
人は自分自身を連想させるようなものを好きになります。
ニューヨーク州立大学の心理学者ブレット・ぺラムが行った研究で(1)、人は自分の名前の一部分などが入っているものを好むことが明らかになりました。例えば、自分と同じ名前の歴史上の人物や、自分の名前の一部分が入った地名やお菓子など、を好きになることが明らかになっているのです。
この「自分の名前の一部分が入ったものを好きになる」という人の特徴に、行動経済学者のアダム・グラントは「名前の類似性効果」という名称を付けています。(3)
例えば、私は「秋山真之」という歴史上の人物が好きなのですが、その理由は秋山真之の性格が私と似ているということと、私の名前に「真」という文字が入っているからなのです。
自分と似たものを好きになる理由
私たちが自分を連想させるようなものや、自分と共通点があるものを好きになる理由は、私たちには「他人と同化したい」という強い欲求があるからです。
「他人と同化したい」という欲求を一言で表すのならば、「一つになりたい欲求」です。
全ての人は総じて「一つになりたい」という欲求を持っており、他人と一緒の行動をして、その人と強く結ばれ、コミュニティの一員になりたいという意識があるのです。
そのために、自分を連想させるものや共通点を持つもののことを好きになってしまうのです。
また、オハイオ州立大学の研究(2)で、人は特異的な共通点を持つものに引き付けられることが分かっています。
例えば、珍しい名前を持っている人は、同じく珍し名前を持っている人に惹かれるのです。特殊な趣味を持っている人は、同じく特殊な趣味を持っている人惹かれるのです。
自分が持っている名前や趣味が珍しいからこそ、同じような名前や趣味を持っている人と仲良くなりたいと思うし、絆を深めたいと思うものなのです。
「同じ」を使って親密度を上げる方法
恋愛や人間関係においても、まず「共通点を持つ」ことを意識してみてください。
同じ集団に所属したり、同じ趣味を持ってみたり…
とにかく「同じ」を意識してみてください。
また、「相手の動作を真似ると親密度が増す」ということがよく言われますが、それは「動作を真似られた人が、自分を連想するから」です。
「同期行動」という「一緒に同じ動作をする」「一緒の空間で同じことをする」という行動が最も親密度を上昇させてくれる行動なのです。
特定の誰かと親密になりたいのなら、傍で歩くなど、一緒に同じ動作をするだけでいいのです。
「人は自分を連想させるようなものを好きになる」
この言葉で今日は終わりたいと思います。
参考文献
(1)Why Susie sells seashells by the seashore: implicit egotism and major life decisions.
(2)The importance of being we: human nature and intergroup relations.
(3)