医者は専門職だから絶対に稼げる、
と思っていると考える方が多いと思います。
ですが、医者の収入はピンからキリまであります。
さらに医者の仕事で稼げたとしても、自由な時間はほぼとれないのです。
今回は医者の仕事を、収入と勤務時間に注目して紹介します。
1.研修医の場合
医師免許を取得し、医学部を卒業した医者は研修医となります。
一人前の医者となるために、実際の医療の現場で研修を受ける医者が研修医です。
研修医の年収はざっと調べた結果、約300-600万円です。
サラリーマン(正規雇用されている会社員)の平均年収は420万円ですから、
研修医の年収は高いとは言えません。
さらに、研修医の仕事は超激務です。ほぼ住み込みで働くことになります。
実際に研修医の方に話を聞いてみると、3日間家に帰らないこともあるようです。
また、そのような激務の影響のせいか、
研修医の「三割」はうつ状態だという報告が岐阜大学の研究でなされています。
実際、研修医の自殺がよくニュースに取り上げられています。
身も心もすり減らして働くにもかかわらず、報酬が少ないのが研修医です。
2.勤務医の場合
地獄の研修医時代を生き残った医者は一人前の医者として働くことができます。
勤務医とは病院で雇われている医者です。
勤務先の病院、年齢、役職などによって変わりますが、年収は約1000万です。
仕事内容ですが、相変わらず激務です。仕事が多すぎて残業を強制されます。
ひどい場合は、残業時間は年間2000時間を超え、
ほとんどがサービス残業(手当が発生しない残業)です。
お金を稼ぐために、勤務先の病院以外で医師としてアルバイトをすることもあります。
このような境遇のせいか、
医者の4人に1人がうつを経験したことがあると言われています。
医者はやりがいのある仕事だと言われますが、やりがい「しか」ない、自由と休みが全くとれない仕事だと言わざるを得ません。
3.開業医の場合
医師としての経験を積み、人脈や環境が確保できれば、開業医となることができます。
開業医は自ら診療所、病院を経営している医師のことです。
開業に成功すれば、年収は2500万円を超えます。
が、失敗すれば借金地獄におちいります。
仕事内容も、勤務時間も自分で設定することができますが、
成功するためには一日10時間は働くことが多いようです。
さて、この記事では医師の年収と勤務時間について見てきました。
医者はお金を稼ぐことはできますが、お金を使う時間はありません。
また、仕事は常に激務です。精神的、身体的に消耗してしまうことは避けられません。
正直、先輩医師の話を聞いてみると、私には研修医時代を生き抜ける気がしません。もちろん、できるところまでは責任を持ってやりきるつもりですが。
また、研修医を終えたとしても、さらなる激務が待っていると思うと....
患者の命を救うという仕事から得られる達成感は、他の仕事からは得られないすばらしいものですが、自分の命をけずって仕事をする医者は本当に恵まれているのでしょうか?