皆さんは仕事や勉強で集中したあとに、「脳が疲れて集中できない」と思うことはありませんか?
実は最新の脳科学の研究では、「脳は疲れない」ということが分かっています。
今回は「脳が疲れた」は誤解だということ、そしてなぜ「脳が疲れた」と感じてしまうのかについて説明していきます。
「脳が疲れた」は誤解!
私たちの疲労の原因は、脳自体が疲れて、脳機能が低下するからではありません。
実は単に筋肉と神経が疲れているだけだと言われています。
そして私たちの体の部位で最も疲れやすい部位は目です。
目には筋肉と神経が集まっており、とても疲れやすい部位なので、目の疲れを「脳の疲れ」だと勘違いしてしまっているのです。
目には筋肉と神経が集まっている
目には筋肉と神経が集まっています。
目に分布する筋肉
目に分布する筋肉は6つあります。内側直筋・外側直筋・上斜筋・下斜筋・上直筋・下直筋という6つの筋肉が目の周りに環状に分布しています。目の動きはこれら6つの筋肉が協力しあうことによって起きているのです。
目に分布する筋肉
https://www.mt-pharma.co.jp/healthcare/library/eye03.htmlより引用
さて、これらの目に分布する筋肉は、長時間の間、目を動かさないことによって疲労が蓄積されていきます。また、目のレンズである水晶体の厚さを調節して、焦点を合わせるために使われる毛様体筋も、同じように疲れてしまいます。
目に分布する神経
そして目には筋肉以上に神経が多く分布しています。
人体には脳神経と呼ばれる12本の末梢神経が存在しています。そのうち目に分布する神経は5つもあります。視神経・動眼神経・滑車神経・外転神経・三叉神経です。視神経は視覚情報の認識を行います。動眼・滑車・外転神経は先ほど紹介した目に分布する筋肉を支配します。そして三叉神経は自律神経系を通じて目を調節しています。
目に分布する神経
https://www.akira3132.info/nerve_system.htmlより引用
このように、目には多くの神経が分布しているのです。
しかも、脳と器官が脳神経によって直接結合している器官は目だけなのです。つまり、私たちの目は特に特殊な器官なのです。実際、目は「脳の出張所」とも言われていて、脳が処理している情報のうち、8割以上は視覚を通じて集められています。
心理学の世界でも、「目は心の窓」と言われます。目の動きには人の思考や心理がダイレクトに表現されるため、人の目の動きを見るだけでその人の感情や考えていることが分かってしまうからです。
例えば、「見る・聞く・学ぶ」などのインプット作業をしているときは、目はあまり動きません。しかし、プレゼンの発表や話をしている時などのアウトプット作業をしている時は、目はせわしなく動いています。
目の疲れを解消すれば、集中力は回復する!
目には筋肉と神経が特に多く分泌しており、目の疲れを脳の疲れだと勘違いしてしまうということが分かっていただけ多と思います。目が痛む、目がショボショボする、焦点が上手く合わない、充血するなどの症状が出ている時は、かなり目が疲れていると思ってください。
しかし、目の疲れで集中力が落ちるということは、逆もしかりです。
目の疲れを解消することができれば、集中力は回復するのです。
一番よい目の疲れを解消する方法は「しっかりと良質な睡眠を取ること」ですが、睡眠以外にも目の疲れを解消する方法があるので、紹介していきます。
目を温める
目を温めると、目の周りの筋肉の血流が改善され、目の疲労をとることができます。
蒸しタオルやホットアイマスクなどで、5分程度目を温めると、かなり目の疲れが軽減されます。
目を休ませる
真っ暗闇の中で、視覚情報をカットするとかなり目を休ませることができます。5分から10分くらいの間、アイマスクをつけて目を休ませてあげると良いです。
脳科学の分野でも、視覚情報を断ち切るだけで、睡眠に似た記憶の整理・定着効果があると言われています。
以上です。ぜひ目の疲れに注意して仕事や勉強に打ち込んでください。
参考
https://www.mt-pharma.co.jp/healthcare/library/eye03.html
自分を操る超集中力