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心理学

なぜ子供はタオルや毛布を手放せないのか?~ライナスの毛布~

投稿日:2018年10月23日 更新日:

今回は「子供がタオルや毛布、その他のおもちゃを手放せない」という現象について話していきます

子供、特に幼児期の子供は何か特定のお気に入りの物を常に持ち歩く、という行動をすることがあります。毛布やタオルなどのふわふわとした感触を与えてくれるものを子供は好んで持ち歩くのです。

 

この現象にはライナスの毛布(ライナスの安心毛布)という名前がついています。

ライナスの毛布

「ライナスの毛布」の画像検索結果

Naverまとめより

ライナスはスヌーピーに登場する有名なキャラクターです。

タオルを持ってほほに手を当てながら、指をしゃぶっているライナスは、彼の心を不安にさせるようなものに遭遇したときに、タオルを使って安心感を取り戻そうとするのです。

 

このライナスの毛布などの、タオルや毛布に執着する現象は多くの子供に見られます。

今回は、「なぜ子供はタオルや毛布を手放せないのか?」のついて迫っていきます。

 

子供はふわふわとした感触が好き

まず、子供はふわふわとした感触を好む傾向にあります。

ふわふわとした感触を与えてくれるようなものは、安心感を与えてくれるからです。

 

このことはアカゲザルを使った実験が明らかにしてくれます。

心理学者のハーロウが行った実験(1)で、生後すぐにアカゲザルを母親から引き離し、母親の代わりに2種類の代理的な母親を使って、生活をさせることをしました。

一人の母親は「針金でできた母親」で、もう一人の母親は「タオルを巻いた母親」です。

ちょうど以下のような写真の代理的な母親を使って、アカゲザルを育てたのです。

アカゲザルがタオルを巻いた母親にしがみつく様子

(1)より引用

そして、アカゲザルの赤ちゃんが、「針金でできた母親とタオルを巻いた母親、どちらの母親にしがみついている時間が長かったのか?」を計測してみると、

明らかにタオルを巻いた母親にしがみついている時間の方が長かったのです。

 

つまり、アカゲザルには生まれながらにして、柔らかいふわふわとした感触を与えてくれるものを好む傾向があることが明らかになったのです。

 

そして、アカゲザルのように人間の赤ちゃんも、生まれにしてタオルなどの柔らかいものを好む傾向にあることが、それ以降の様々な実験で明らかになっています。(2)

 

移行対象という母親代わり

子供がタオルや毛布などの柔らかい感触を与えてくれるものを好むことは理解できましたか?

 

ちなみに私はいつまでもお気に入りのタオルを手放すことができず、両親を困らせていました(笑)

いつでもどこでも、寝る時でもご飯を食べる時でも歩くときでも、常にタオルを手放そうとしなかったのです。

ライナスの毛布

「ライナスの毛布」の画像検索結果

Naverまとめより

先ほども紹介したこのライナスの毛布に、私もお世話になっていたのです(笑)

 

さて、ここからが本題です。

タオルなどのふわふわとした感触を与え、子供に安心感を与えてくれるものは、発達心理学の世界では「移行対象」と呼ばれます。

移行対象とは、「子供の愛着の対象が母親から別のものに移る成長の過程において、子供に一体感や安心感を与えてくれるようなもの」のことです。

そして、移行対象に関心を持つことを「移行現象」とも言います。

 

母親と安定した信頼関係を気づくことができている子供は、母親との間での、視線の交換を繰り返しながら、様々なものを体験し、成長することをします。

特に乳児期や幼児期の子供にとっては、母親の存在が安心の源なのです。

母親の声、体温、抱擁、授乳などの行動が、子供に安心感を与えているのです。

 

保育園や幼稚園に入ったばかりの子供は、何かトラブルがあると母親の名前を呼んで、母親の存在を求めていますよね。

その理由は子供にとって母親は無条件に自分を助けてくれる存在だからです。

子供の哀しみや不安をすべて受け入れてくれて、すべての問題を解決し、必ず味方になってくれるスーパーマンのような存在なのです。

 

ですが、子供はその発達の途中で、様々なものとのかかわりを求めるために「母親離れ」をしなければなりません。

その母親離れの一環が、タオルや毛布を手放さないことなのです。

 

子供が成長して、母親が常に傍にいない状態になると、子供は不安を感じます。

今まで自分を守ってくれていた、絶対的な存在である母親がいなくなるからです。

 

そこで、子供は母親と同じように安心感を与えてくれる、柔らかいふわふわとした感触を与えてくれるタオルや毛布を身につけて、まるで母親に包まれているかのような感覚を味わうことで、母親がそばにいないという不安感を解消しているのです。

 

つまり、タオルや毛布などの移行対象は、子供の母親代わりなのです。

母親のように常に自分に寄り添って自分を守ってくれる存在が、子供が手放さないタオルや毛布なのです。

 

そのため、子供がタオルなどを手放せないからといって、無理にそのタオルを奪うようなことは絶対にしてはいけません。

子供がタオルを手放さないのは、一種の母親離れです。無理に引き離してしまうと、将来の本当の母親離れが遅れてしまったり、愛情の知覚に関する何らかの障害が起こっても不思議ではないからです。

 

子供がタオルや毛布を手放さない時期が来たら、

「この子も母親離れをする時期が来たんだな…」

と思って、温かい目で見守ってください。

そして、子供が本当に困った時にはすぐに駆け付けるような、そんな母親になれるようにしてください。

 

「タオルや毛布を手放さないのは、母親離れをしようとしているから」

この言葉で今日は締めくくっておきます。

感想、質問などあればお気軽に以下の問い合わせフォームからどうぞ。

 

参考文献

(1) Harry F. Harlow Love in Infant Monkeys

(2)


よくわかる発達心理学 (やわらかアカデミズム・わかるシリーズ)

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