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健康管理

心臓や血管の健康を維持するための運動とは?MVPA(中高強度身体運動)がもたらす驚きの健康効果

投稿日:2018年10月6日 更新日:

MVPAという言葉を聞いたことがある人は少ないかもしれません。

MVPAは「Moderate-to-Vigorous Physical Activity」の略で、日本語では「中高度身体運動」と訳します。

MVPAがどんな運動を意味するのかと言えば、「3METs(メッツ)以上の運動」を意味します。

METs(メッツ)とは「Metabolic equivalents」の略で、運動を行った時に安静状態の何倍のカロリー消費をしているかを表しています。(1)

つまり、3METsの運動とは安静時の3倍のカロリー消費を伴う運動のことです。

具体的に言えば、早歩きからランニング程度の運動です。

 

ここまでを総括してみると、
MVPAが意味する運動は、「早歩きからランニング以上の消費カロリーを伴う運動」なのです。

 

そして、このMVPAを日々どれだけ行っているかで、私たちの毎日の健康は大きく変わってきます。

 

今回はMVPAがもたらす健康への好影響についてです。

具体的にどれくらいの時間MVPAを行えばよいのかについても解説していきます。

 

ハンザ族のMVPAの量は現代人の約15倍!?

2016年アリゾナ大学の人類学者であるデビッド・ライクレンが主導で行った研究が、MVPA(中高度身体運動)の素晴らしさを示してくれているので紹介します。(2)

 

その研究では、タンザニアの北部に住む狩猟採集民族である46人のハンザ族を、心拍計とGPSでMVPAの量を計測した上で、心臓と血管の健康度合いを調べたのです。

具体的には血圧、CRP(C反応性タンパク)、コレステロール値(合計、HDL、LDL)、中性脂肪(トリグリセリド)の値を調べました。

 

結果としては、ハンザ族の中で生涯を通じて高血圧に悩まされる人はおらず、CRP、コレステロール値、中性脂肪の値も理想の値を維持していることが明らかになりました。

 

また、運動に関しては、ハンザ族はアメリカに住む一般的な住民の、14.8倍ものMVPAを行っていることが明らかになりました。具体的には、男女平均して一日に約76分ものMVPAを行っていたのです。

そして、狩猟採集を主に行うハンザ族の住民は、1日に約134分ものMVPAを行っていることが分かりました。

また、この運動量をハンザ族は生涯を通じて維持していることも明らかになりました。なんと60歳以上のハンザ族も、18歳の若者と同じくらい体を動かしていたのです。

 

日本を含めた多くの先進国は、健康管理のために1週間に150分のMVPAを行うことを推奨しています。

しかし、ハンザ族は先進国の運動量の基準をたった2日でクリアしているのです。狩猟採集で体を多く動かすハンザ族に至っては、たった1日でクリアします。

 

もともと人類学者や進化医学の研究者たちは、私たちの日々の運動量は、狩猟採集民族として生活していたころの有酸素運動の量を参考にすべきだと考えてきました。

そして、やはり運動面では狩猟採集民族を見習うべきだということが今回の研究で明らかになったのです。

 

研究チームは結果を受けて以下のように述べています。

ハンザ族は先進国の住民と比較して、大量の時間をMVPAに使っている。他の小規模の研究の結果を合わせてみても、今回の研究の結果は、およそ200万年にもわたって狩猟採集生活を続けてきた私たちの祖先が、長時間のMVPAに適した体になっていることを示唆している。

(中略)

運動が心血管疾患のリスク軽減において大きな役割を果たしていることは明らかであり、既に多くの研究で明らかになっているように、狩猟採集の運動量と現代人の運動量の違いこそが、狩猟採集が心臓や血管の健康を維持している理由だろう。

また、心肺機能の高さは運動量に比例し、心肺機能が高いほど罹患率や死亡率は低くなることは既に述べた通りである。

そのため、私たちは人類の進化の歴史を理解した上で健康維持を考えるべきであり、有酸素運動を多く行っている狩猟採集民族のような運動様式を考慮すべきだろう。

(一部改変)

 

要するにどういうことかというと、

・私たちの体は、200万年もの間、狩猟採集民族として送ってきた生活様式に適応している

・心臓や血管の健康維持のためには、日々の運動量が重要である

・現代人の運動量は狩猟採集民族の運動量と比較すると、驚くほど少ない

 

ということです。

 

といっても、いきなり狩猟採集民族のような運動量を確保することは難しいので、私たちにできることは

・できるだけMVPAの時間を確保する。少なくとも週150分は絶対にMVPAを行う

・毎日のNEAT(非運動性熱産生)を増やすために、日々の生活の中での運動量を増やす

(階段を使う、駅まで歩いて向かう、立って勉強するなど)

 

ですかね。

 

「毎日の運動量が私たちの寿命を決めている」

この言葉で締めとしておきます。

 

参考文献

(1)Club Panasonic

(2)David A. Raichlen et. al. Physical activity patterns and biomarkers of cardiovascular disease risk in hunter-gatherers

(3)


最高の体調 ~進化医学のアプローチで、過去最高のコンディションを実現する方法~ (ACTIVE HEALTH 001)

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