SNSでシェア!

  •  
  •  
  •  
  •  
  •  
  •  
  •  
  •  
  •  

メンタルヘルス 健康管理

進化医学とは?進化医学はどれだけ使えるのか?

投稿日:2018年8月24日 更新日:

皆さんは「進化医学」という言葉をご存知でしょうか。

「進化医学」とは、進化論をベースにして人の病気を理解しようとする医学の一分野です。最新医学のデータとダーウィンが生み出した進化論を組み合わせるので、「ダーウィニアンメディスン」とも呼ばれています。

現在の人類の基礎が形成されたのは、約700万年前です。そしてそれ以来少しずつ人類は進化を続け、1~2万年前にようやく狩猟採集生活から農耕生活に移行しました。つまり、約700万年の間、人類は狩猟採集生活を続けていたのです。

ということは進化論の目線で考えると、人は狩猟採集生活に最も適応している」と考えることができます。

これが「進化医学」の基本となる考え方です。

現在も狩猟採集生活を行う民族を観察して、私たちが狩猟採集生活を送っていた頃の生活様式を推測する。そして現代人との生活様式の違いや体の健康度の違いから、私たちが悩まされている病気について考える。

これが「進化医学」なのです。

 

「進化医学」の考え方を用いると、肥満、うつなどの私たちを悩ませている現代病についての理解を深めることができます。

 

今回は、2003年にミシガン大学のランドルフ・ネシー博士が発表した論文である「進化医学はどれだけ使えるのか?(How is Dawinian medicine useful?)」(1)を読んだので、その内容を私個人の知識を含めて紹介していきます。

 

進化医学はどれだけ使えるのか?

「進化医学」は現代になって肥満が増えた理由や、不安障害やうつが増えた理由についてある種の考察をもたらしてくれます。

実際に見ていきましょう。

肥満の原因を推測できる

その昔、私たちは食べ物を得るために日々何時間も歩き続けなければなりませんでした。しかも十分に食料が手に入ることも少なかったので、脂肪などの栄養素を余分に体内に蓄える余地はありませんでした。

つまり、古代の人類は常に空腹感にさらされており、断続的な飢餓状態だったのです。その断続的な飢餓状態に耐えるために編み出されたものが食欲です。食欲を感じることによって一度にできるだけ多くの食べ物を摂取し、次なる飢餓に備えていたのです。

これがダイエットをしてもすぐにリバウンドしてしまう理由でもあります。ダイエットをして空腹感を感じると、「必要以上の食事を取らなければならない」と体が勝手に判断して、食欲が増幅されてしまいます。だからこそダイエットの成功は難しいのです。

また、私たちが断続的な飢餓状態にあったということは、私たちの体は飢餓状態には適応できるとも示しています。一時的な飢餓状態に陥ると、体内の余分なタンパクをオートファジーという機構によって分解することで、飢餓に対応することができるのです。

しかし逆に言えば、私たちの体は栄養が十分にある状態には適応できない作りになっているのです。栄養が十分にあり、脂肪などが蓄えられていくと、体内の炎症の数値が上昇していきます。脂肪は飢餓状態に対応できる人間からすれば、一種の異物です。何とかして脂肪を除去しようとして、体内で慢性の炎症がおこり、糖尿病、高血圧など様々な病気が引き起こされてしまうのです。

また、私たちは古代に不足しがちだった食塩、砂糖、脂肪をできるだけ多く摂取するために、食塩、砂糖、脂肪に対して過剰な反応を示すようになっています。食塩、砂糖、脂肪などが多く含まれている食品を好んでしまうのは、そのためです。

これらの「進化医学」の考え方を用いると、現代になって肥満となる人々が増えた理由は、飢餓状態の不足、運動の不足、栄養の取りすぎにあると推測できます。

 

うつなどの不安障害の原因を推測できる

古代の人々にとって、不安という感情は生存に不可欠でした。不安を感じるからこそ、人間に害を与えるような捕食動物から逃れることができるようになりましたし、危険に対処して生き残ることができたのです。

しかし、現代の不安は私たちが古代に感じていた不安とは性質が異なります。

古代に感じていた不安は対処がしやすい、はっきりとした不安でした。捕食動物などの危険を感じる対象から逃げたり、あるいは戦ったりすればよかったのです。

しかし、現代人が感じる不安は違います。対処しにくい、ぼんやりとした不安であることがほとんどです。何となく将来に対して不安を感じたり、原因がよく分からない不安が多いのです。

この古代と現代で感じる不安の性質の違いが、近年になって増えてきた不安障害やうつなどに大きく関係しているのではないでしょうか?

 

取り合えず肥満や不安感についてまとめてみました。

「進化医学」は私たちの心身の健康に関する何らかの示唆をもたらしてくれることは確かですね。

 

 

参考

(1)Randolph M Nesse How is Darwinian medicine useful?

最高の体調 ~進化医学のアプローチで、過去最高のコンディションを実現する方法~ (ACTIVE HEALTH 001)

 

お問い合わせ

質問・相談・感想など何でも募集中!

お気軽にご相談ください。

SNSでシェア!

  •  
  •  
  •  
  •  
  •  
  •  
  •  
  •  
  •  

人気記事一覧

-メンタルヘルス, 健康管理

Copyright© 本名真言の医学ノート , 2018 All Rights Reserved Powered by STINGER.