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健康管理

心疾患の治療に運動療法は使えるのか?

投稿日:2018年10月9日 更新日:

基本的に心疾患の予防や慢性心疾患の治療に運動療法は使える、というものが世の中の常識です。

今回は日本循環器学会,日本心臓病学会などの日本の各学会が合同で出している「心疾患における運動療法に関するガイドライン」(1)を参考にしながら、運動療法の持つパワーについて迫っていきます。

 

解説動画

 

運動療法がもたらす治療効果

心疾患における運動療法に関するガイドライン(2000-2001)では、運動療法がもつ効果について、以下のように述べられています。

運動療法は心臓リハビリテーションの中心的な役割を担っており、主な効果は以下の通りである

・運動耐容能(身体運動負荷に耐えるために必要な,呼吸や心血管系の能力に関する機能)の増加

・心不全症状や狭心症発作の軽減

・日常生活におけるQOL(Quality Of Life:生活の質)の改善

・高血圧・高脂血症・糖尿病などの危険因子の是正

・末梢血管抵抗の減少

これらの中から一部を詳しくみていきます。

 

運動耐容能の増加について

運動療法がもたらす運動耐容能の増加については、以下のように述べられています。

・心疾患患者における運動耐容量の低下は、心機能低下に基づく全身性の慢性の循環障害や、骨格筋の(血流循環)機能障害、換気機能障害などの総和として出現する

運動耐容量の増加は、運動療法で得られる最も確実な効果であり、最高酸素摂取量は15~25%増加する。そして、この結果として日常生活における息切れなどの諸症状が改善する

・運動耐容量の増加は性別・年齢に関係なく認められ、運動開始前の運動耐容量が小さいほど、より大きな増加が認められる。

 

まとめると、

運動療法によって多くの場合、運動耐容量の増加がもたらされ、日常生活における心肺・運動機能が改善される。

ということです。

 

末梢血管抵抗の減少について

末梢血管抵抗の減少については以下のように述べられています。

慢性心不全は特に安静時の総末梢血管抵抗の上昇と、血管拡張反応の不良により特徴づけられ、運動時の骨格筋血流増加反応の不良が運動耐容量の低下の最も大きな要因となっていると考えられる。

慢性心不全を対象とした6か月間の運動療法によって、安静時および最大運動時の総末梢血管抵抗が対照群と比較して優位に減少したことが報告されている。

血管拡張反応の低下は、血管内皮の機能障害によって引き起こされているという報告があり、慢性心不全の運動療法により(血管)内皮依存性血管拡張反応が増加するとの報告もある。

・血管内皮機能障害は、動脈硬化に先んじて出現する。また、高血圧、高脂血症、糖尿病では内皮依存性血管拡張反応が低下していることが示唆されている。

 

まとめると、

・運動療法により末梢血管抵抗の減少と血管拡張反応の亢進が見られるため、慢性心不全患者における運動療法は効果があるかもしれない

運動療法により血管内皮機能が改善されることによって、血管拡張反応が亢進されるのかもしれない

血管内皮機能障害は、動脈硬化、高血圧、高脂血症、糖尿病で引き起こされるのかもしれない

ということです。

 

運動療法における運動強度

また、運動療法で用いられる運動強度については、

・最大酸素摂取量の40~80%、もしくは最高心拍数の50~90%の運動

1日20~40分行い、週3回以上の頻度で、12週間以上継続する

と述べられており、これが最も安全な運動強度だとされています。

 

といってもどれくらいの運動強度なのか分かりにくいので、

・適切な運動強度=MVAP(中高強度身体運動):3Mets以上の運動

だと考えれば、大抵の場合良いのではないでしょうか?

(MVAPに関してはこちらの記事を参考に)

 

また、別の研究で、(2)

1セッション45分以上で、息が切れる程度の運動を行うと、認知機能が改善する

有酸素運動と筋力トレーニングの両方を、できる限り毎日、中程度の息が切れる程度の負荷で行うことを推奨する

ということが主張されているので、心疾患の運動療法にMVAP(中高強度身体運動)の概念は使うことができるかな~と思います。

 

学校の授業の準備なので、この程度で

 

「運動療法は心疾患の治療・予防に用いることができる」

これで終わりにしておきます。

 

参考文献

心疾患における運動療法に関するガイドライン(2000-2001)(1)

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