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ストレス対策 メンタルヘルス

体験を一般化するとストレスが減るという研究

投稿日:2018年8月26日 更新日:

今回は「ジェネリック・ユー」というストレス対策のテクニックを紹介します。

英語の「You」には2人称として目の前の人のことを表す場合と、一般的な人々のことを表すときがあります。「ジェネリック・ユー」とは、この一般的なことを話すときに使う「You」のことです。

例えば、「You win some, you win lose(勝つときもあれば、負ける時もある)」などの表現で使われる「You」です。

この「You」を用いるテクニックが、今回紹介する「ジェネリック・ユー」です。

 

「ジェネリック・ユー」とは?

「ジェネリック・ユー」は自分の体験を一般的に言い換えることです。

例えば、

ストレスを感じる体験:テストに失敗して辛かった

一般的に言い換え:人は誰でもテストに失敗して、辛い体験をすることがある

などです。

ネガティブな体験やストレスを感じる体験を「一般的によくあることだと思う」こと。これが「ジェネリック・ユー」のテクニックです。

この「ジェネリック・ユー」を行うことによって、「ストレスを感じる体験をあまり不快と感じなくなる」ことが科学的に証明されています。

 

「ジェネリック・ユー」の効果の科学的証明

この「ジェネリック・ユー」のテクニックは2017年にアメリカのミシガン大学によって提案されました(1)。約600人の男女を対象にした実験でこの効果を明らかにしたのです。

どのような実験が行われたかといえば、被験者を以下のような約200人ごとの3グループに分けます。

グループ1:過去のネガティブな体験について紙に書いてもらい、「その体験から学んだこと」を書いてもらう。

グループ2:過去のネガティブな体験について紙に書いてもらい、「その体験をしていた時の感情」について書いてもらう

グループ3:過去のネガティブでもポジティブでもない、ありふれた日常の体験を紙に書いてもらう。

そして、各グループが書いてもらった文章を比較したのです。

結果、過去のネガティブな体験から学んだことを書いたグループは「You」を使う頻度が高く、さらに「ネガティブな体験を嫌だと思わなくなった」と答える確率が高いことが分かりました。

つまり、人々はネガティブな体験を一般的な体験としてとらえなおすことで、その体験に意味を見出すことが明らかになったのです。

このことに関して、研究チームは以下のように述べています。

ネガティブな体験を一般的な体験だと捉えなおすことで、その体験に対して「心理的距離」を置くことができる。そのため、私たちはその体験を自己の枠を超えて見つめなおすことができ、意味を見出すことができるようになるのだ。

日本では「心理的距離」という言葉は対人関係で用いられることが多く、相手とどれくらいの心理的な距離感があるのか、などを意味しますが、この実験では「心理的距離」を「感情と出来事がどれくらい分離されているか」という意味で用いています。「心理的距離」が遠いほど物事を客観的に評価できるのですが、「心理的距離」が近いほど逆に感情的に物事を評価してしまうのです。

つまり、過去や現在の体験を一般化してとらえなおすことで、私たちはその体験を客観的に評価できるようになるのです。

客観的に評価できるようになったことで、ネガティブな感情が中和され、嫌な体験へのストレスを感じづらくなるのです。

 

被験者が過去のネガティブな体験から学んだことの一例としてどのような文章を書いたのかというと、

• You can actually learn a lot from others who see things differently than you.

(あなたと違う価値観を持っている人から多くのことを学ぶことができる)

• Stand your ground firmly, and don’t alter your life if you’re not ready for a big change.

(自分の立場を決して変えるな。大きなチャンスがやってくるまでは、人生に対する態度を決して変えるべきではない。)

• Sometimes people don’t change, and you have to recognize that you cannot save them.

(どれだけあなたが努力しても、他者は変わらないことがある。そして救うことができない人も世の中んには存在するのだ。)

• When you take a step back and cool off, sometimes we see things from a different perspective.

(物事から一歩引いて心を落ち着かせると、別の視点で物事を見返すことができる)

• When you are angry, you say and do things that you will most likely regret.

(怒っているときは、ほとんどの場合に後から後悔してしまうようなことを言ったり、行動したりしてしまう)

• Pride is something that can get in the way of your happiness.

(プライドが自分の幸せの邪魔になることがある)

どれも機知に富んだ言葉です。

このように、ネガティブな体験を一般化して「よくあることだ」ととらえなおすことで、感情を分離して考えることができるようになり、客観的にその体験を評価できるようになるのです。

そして「嫌な体験からでも学ぶべきことがある」ことを実感することができるようになります。

嫌な体験を単なるストレス体験だと考えることが少なくなるため、ストレスが軽減されるのです。

 

皆さんも、「一般的に物事をとらえなおす」ことをしてみてください。

単にストレスでしかなかった過去の体験から学ぶべきことがきっと見つかるはずです。

 

参考

(1)Ariana Orvell, Ethan Kross, Susan A. Gelman, How "you" makes meaning


超ストレス解消法 イライラが一瞬で消える100の科学的メソッド

 

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