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健康管理

抗生物質を使うと腸内細菌が大量に死に、半年のあいだ悪影響をうける

投稿日:2018年8月22日 更新日:

腸内細菌はヒトの消化器官に住みついている様々な微生物のことです。乳酸菌や納豆菌などが有名ですね。腸内細菌の数は100兆個~1000兆個ともいわれており、私たちの体を構成するすべての細胞数を超えています。

この腸内細菌は多様性に富んでいるため、その全容はまだ解明されていませんが、腸内細菌が私たちの体に与える影響にはすさまじいものがあります。

まず、腸内細菌は人体が合成できないビタミンBやビタミンKなどのビタミンを合成してくれます。おかげで私たちは主要なビタミン欠乏症から免れていますし、健康的な生活を送ることができているのです。

特に、ビタミンK2は発がんを抑制する物質として重要だということがわかっていますし(1)、ビタミンBは不足すると脚気や貧血、意識障害などの重篤な障害を起こしてしまいます。(ただし、「ビタミンBのサプリによる摂取は死亡率を高める」ことがわかっているので、オススメしません。)

腸内細菌はビタミンを合成する以外にも、食物繊維を分解してエネルギーに変えたり、酪酸という脂肪酸を生成して腸壁を守る、などの活躍をしており、私たちは腸内細菌なしでは生活することができません。

しかし、現代人の腸内細菌の数はどんどん減ってきています。

一つの原因としては衛生が改善されたことにより、人体に良い影響を与える菌類との接触が減ってしまったことがあります。

そしてもう一つの大きな原因が「抗生物質の乱用」です。たった一回抗生物質を利用しただけでも、腸内細菌の1/3が死に、そのダメージを回復するためには、半年の月日を必要とすることがわかっています。

腸内細菌を増やすために発酵食品をとることも重要ですが、もっと重要なのは抗生物質の乱用を避けることです。

 

抗生物質を使うと腸内細菌が大量に死ぬ

抗生物質を使うと腸内細菌が大量に死ぬことを明らかにした実験があるので紹介します。

スタンフォード大学が2008年に行った研究(2)によると、たった一回の抗生物質の使用で、腸内細菌の1/3が死に、そのダメージは半年たっても回復されないことがあるということがわかりました。

 

一年以内に抗生物質を使用しなかった健康的な成人の便と、抗生物質を使用した成人の便をRNAシークエンスという方法を用いて、腸内細菌の種類を比較したところ、抗生物質の使用直後では約1/3の腸内細菌が死んでいることがわかりました。そしてそのダメ―ジは最大で6か月たっても回復しないこともあることが明らかになりました。

ここで注意すべきことは、「腸内細菌の回復スピードにはかなりの個人差がある」ということです。同じ「シプロフロキサシン」という抗生物質を使用したにもかかわらず、腸内細菌の多様性が4週間で回復した人もいれば、6か月たっても回復しなかった人もいたのです。

この「腸内細菌の回復スピードにかなりの個人差がある」という事実は、私たちの腸内細菌は個人間でもかなりの差があるということを示していますが、はっきりとした違いまでは分かっていません。

とにかく、抗生物質を使えば大量の腸内細菌が死ぬことは確かですし、腸内細菌が素早く回復するかどうかも分からないのであれば、できるだけ抗生物質の利用は避けるべきでしょう。

 

もっとも、最近では抗生物質の悪影響については理解が深まっており、世界中で抗生物質の利用を減らす傾向にあります。日本でも抗生物質の乱用はまず起こりえませんが、病院などの医療機関に行って抗生物質を処方された場合は「何故処方されたのか」をきちんと把握するようにしましょう。

 

抗生物質の利用は要注意です。

このことをしっかりと覚えておきましょう。

 

参考

(1)Katharina Nimptsch, Sabine Rohrmann, Rudolf Kaaks, Jakob Linseisen; Dietary vitamin K intake in relation to cancer incidence and mortality: results from the Heidelberg cohort of the European Prospective Investigation into Cancer and Nutrition (EPIC-Heidelberg)

(2)Dethlefsen L(2008)The pervasive effects of an antibiotic on the human gut microbiota, as revealed by deep 16S rRNA sequencing.


最高の体調 ~進化医学のアプローチで、過去最高のコンディションを実現する方法~ (ACTIVE HEALTH 001)

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