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心理学 読んだ本紹介

発達心理学とは?「発達心理学が手に取るようにわかる本」の書評・要約・レビューと感想

投稿日:2018年10月10日 更新日:

「発達心理学が手に取るようにわかる本」を読んだので、その書評・要約・レビューです。

メタ認知読書に従って、内容を理解するための質問事項を最後に追加しています。

 

発達心理学を勉強すれば、日常生活の改善や恋愛・人間関係・育児に役立つので、オススメです。

幼児期の発達を勉強すれば、「自分がどのように成長してきたか?」を理解することができるので、それも面白いですね。

 


手にとるように発達心理学がわかる本

 

目次

本の書評

発達心理学について、心理学的な知識がない人でも分かりやすいように解説してくれている本。

発達心理学はもともと児童心理学から発展したので、本の内容としては乳児期・幼児期・児童期の心理的な傾向やその傾向の獲得過程について多く書かれている。

そのため、これから育児を行おうと思っている人や、子供の教育を行うことを考えている人にとって、この本で発達心理学を勉強するメリットは多い。

それ以外にも、愛着・愛情の形成理論やその重要性、子供の思考や言語の発達理論、自己の客観的把握や他者の気持ちの理解などについて知りたい人は、この本で発達心理学について軽く触れておくことをオススメする。

また、幼少期の行動特性や心理的傾向以外にも、青年期・成人期・高齢期についても分かりやすく書かれており、人は生涯を通じて発達し続けること(生涯発達)を理解できる一冊。

本の要約や要旨については以下を参照に。

httpss://wp.me/p9Cd8y-Cq
(2018/10/10公開予定)

 

本全体の要約

発達心理学は以下のように定義できる。

人の発達は受胎から死までの連続の流れとしてとらえるべきだ、という生涯発達の発想で、人の発達期を8つに分類し、それぞれについて人の行動特性、心理的傾向やその獲得理由について明らかにしていく学問。

「胎児期」「新生児期」「乳児期」「幼児期」「児童期」「青年期」「成人期」「高齢期」の8つの分類で、人の生涯発達を考えていく。

発達心理学は児童心理学から発展したので、特に「新生児期」「乳児期」「幼児期」「児童期」の4つが重要な位置づけをされている。

愛情はどのように獲得されるのか?
母親と子供はなぜ仲がいいのか?
子供の身体的な発達過程
子供の思考や言語の発達過程

などについて、代表的な心理学者の思考が紹介されている。

既に述べたが、発達心理学の基本的な考えは「人は生涯を通じて発達を続ける(生涯発達)」こと。

子供だけでなく、大人も、高齢になっても人はその心理的傾向を変え続ける。

そして最終的な発達結果として死を受容するようになる。

人は生まれ、必ず死ぬ定めになっているが、その過程で起こる精神的な変化についての考察を行う学問が発達心理学であり、特に育児や教育を志す人にとっては日常生活で用いることができる実践的な知識になりうるだろう、と予測できる。

 

各章のまとめや要旨

各章のまとめや要旨です。

はじめに

発達心理学は、日々の生活、社会生活を充実に過ごしていくためのヒントを私たちに与えてくれる。

1章:発達の基礎理論

発達心理学は児童心理学から名称が変化した。その理由は人が長寿になったから。

17世紀まで(中世ヨーロッパ)は、子供の寿命はが極端に短かったっために、大人の子供への関心は薄く、子供は大人のミニチュア程度としか考えられていなかった。

ルソーは子供が大人のミニチュアである、という考えに異議を唱え、「性悪説」に異論を唱えた。
結果として現代教育思想はルソーから生まれたとされる。

フレーベル:幼稚園教育の創始者であり、子供の神聖(生まれながらの善)を信じていた

ヨーロッパでは子供の発達を体系的に明らかにするために、子供の成長の記録が多く存在した。
チャールズ・ダーウィンは1877年に自らの息子の2年間の成長記録を出している。
また、プライヤー(発達心理学の父)は「子供の精神」を1882年に公刊している。

また、スタンレー・ホールはアメリカに「児童研究運動」をもたらし、児童心理学と発達心理学の創始者と呼ばれる。

「生涯発達」=「人の発達は受胎から死までの生涯にわたってとらえるべきだ」という価値観

発達心理学では人の発達を8つに区分する(エクリソン)
「胎児期」「新生児期」「乳児期」「幼児期」「児童期」「青年期」「成人期」「高齢期」

遺伝子と環境、どちらの方の影響が強いのか?
「成熟説」=「人の発達は遺伝子によって決まる」
「環境優位説(学習説)」=「人間が置かれている環境的要因が発達に大きく影響する」
現在では、「相互作用説」=「遺伝子と環境の両方が発達に影響する」という考えが主流。

相互作用説には主に2つある
1.シェルテンの輻輳説:発達は遺伝的要因と環境的要因が収束して決まる。(ルクセンブルガーの図によって、遺伝子と環境の影響は単純に加算されるようなものではなく、別々のものであると解釈される)
2.ジェンセンの環境閾値説:遺伝によって与えられた才能を伸ばすために必要な、環境の適切さの最低限度(閾値)が存在する、という説

フロイト:「人間の生物的発達の基礎は性の本能である」

フロイトの性の発達段階説
生後~1歳半くらい:口唇期:口唇を使って吸うという行為を通じて、環境との交流を図る
1歳半くらい~3歳:肛門期:排泄を通じて、環境に対する能動的な姿勢が得られる
3~6歳:男根期:性的関心が異性の親に向けられ、同性の親を憎むようになる。両親への同一視を通じて、性役割を学習する
6~12歳:潜伏期:男根期に芽生えた親への憎しみから生じた去勢不安によって、一時的に性的関心が抑えられる
12歳以降:性器期:口唇、肛門、男根などの小児性欲の部分的欲動が統合され、対象の全人格を認めた心理的な性愛が完成する。

フロイトはこの性の発達の段階の中で、パーソナリティーの3要素が順番に形成されていると述べた
1.エス:本能としての快楽追及
2.自我:現在の意識であり、道徳的な行動をとろうとする
3.超自我:道徳心や良心に支配されている

エリクソンが発達段階を8つに分ける「8段階理論(心理社会的発達理論)」を提唱した。
それぞれの時期には以下のような心理的危機(重要な発達課題)、対人関係、特徴がある
心理的危機を解決することなく次の段階に進むと、何らかの影響が出る、と考える。
心理的危機の中でも特に、「信頼vs不信」と「自我同一性vs同一性の拡散」が重要だとされる

段階の名称:年齢:心理的危機:重要な対人関係:特徴の順
「胎児期」:0~1歳:信頼vs不信:母親:誰か(親)を心から信頼できるという気持ちを持てるようになることが大事な期間
「新生児期」:1~3歳:自律性vs恥・疑い:両親:自分の意思で排せつや生活をコントロールできることを学ぶ時期
「乳児期」:3~6歳:自主性vs罪悪感:基本的家族:自分で考えて行動することを学ぶ期間。大人は子供のやる気を大切にする必要がある。
「幼児期」:6~12歳:勤勉性vs劣等感:近隣・学校:やればできるという体験をして、勤勉に努力することを覚える期間
「児童期」:12~20代半ば:自我同一性vs同一性拡散:仲間集団・リーダーシップのモデル:自分はどういう性格なのか、将来どのような生き方をしたいのかを模索しながらアイデンティティを確立していく時期
「青年期」:20代後半~30代半ば:親密性vs孤独:友情・性・競争・協力の相手:特定の異性と親密な関係を持つことで相手を尊重し、大切に思う気持ちをはぐくむ時期。結婚して家庭を築くなど
「成人期」:30代後半~60代半ば:世代性vs停滞:分業と共有の家族:次の世代の人々(子供、孫、生徒など)のために知識、経験、愛情を継承していく時期
「高齢期」:60代後半:自我の統一vs絶望:人類:今までの人生を振りかえり、自我の統一を図る期間

ハヴィガーストの発達課題=エリクソンの心理的危機に具体性を持たせたもので、教育的な側面が強いとされる

クラインの提唱した概念「乳児が母親との間で経験する2つの葛藤」
・「妄想ー分裂的態勢」:
生後3か月までの乳児の心理。生後間もない子供は、自分の欲求を満たしてくれる乳房を「良い対象」、欲求を満たしてくれない乳房を「悪い対象」と分裂させてとらえる。
「良い対象」に乳児は情熱的な愛情を注ぐ。そして自分の力で母親を支配できるという全能感が生まれる。
・「抑うつ的態勢」:
生後4か月~2歳ごろの間に乳房との関係から、母親全体との関係へと変化する。分裂させてとらえていた「良い対象」と「悪い対象」の両方が母親のものであることに気づき、幼児は乳房をかんでしまったことに対する罪悪感や、愛する母親から見捨てられるのではないか、という不安を抱く。
幼児は母親に対して「好き」と「嫌い」の二つの矛盾した感情を持っていることに気づき、それに対して罪悪感を抱いて抑うつ的になる。

他の乳児・幼児の発達の仮説についてはp52,p53参照。

発達心理学における研究方法は主に4つ
・観察による研究
・実験による研究
・心理検査法
・代表的発達検査

2章:胎児期~乳児期の発達

胎児期のうちから発達している(発生学)
・20週から把握反射やバビンスキー反射(足底反射)が見られる

「生理的早産=子宮外の胎児期」:人間は他の動物よりも未成熟な状態で生まれること

身体発達の8つの基本原理
1.発達は連続の過程である:発達は連続性を保ちながら進む
2.発達には一定の方向性がある:八田宇は頭部から臀部、中心から抹消へと進む
3.発達は文化と統合の過程である:発達は統合的である
4.発達は個体と環境の相互作用である:相互作用説
5.発達は相互に関連している:発達は一つ一つが別々のものではない
6.発達には一定の順序がある:発達は一定の順序で進む
7.発達には個人差がある:発達には個人差がある
8.発達には周期性がある:発達の過程では、以前表れていた傾向?が周期的に表れる

新生児の平均体重は3000グラム、身長は50センチ
新生児の聴力は、母親の声を聴き分けるために発達している
新生児の視力は0.02程度であり、人の顔にすぐに注目を寄せる
視覚的断崖(ビジュアル・クリフ)の実験で、新生児には「奥行」などの立体的な構造を理解する能力があることが分かった。

新生児の運動能力の発達
1か月:顎を上げる
2か月:肩を上げる
3か月:首が座る
4か月:支えれば座る
5か月:膝の上でものをつかむ
6か月:椅子の上で動くものをつかむ
7か月:一人でお座りできる
8か月:支えられて立てる
9か月:つかまり立つ
10か月:ハイハイ
11か月:支えられて歩く
12か月:家具につかまって立ちあがる
13か月:片手で支えれば階段を上る
14か月:200メートル程度歩く
15か月:すたすた一人で歩く

原始反射:生存のための動きのメカニズム
把握反射
バビンスキー反射
モロー反射
ルーティング反射
吸てつ反射
児童歩行反射
緊張性顎反射

トマスとチェス:乳児の気質は9個のカテゴリーに分類でき、主に3つのタイプの個性(気質)がある。
1.扱いやすい子:反応が穏やかで、機嫌も良く、生理的リズムも安定し、環境の変化にもすぐ慣れる、育てやすい子供。全体の約40%
2.気難しい子:生理的リズムが不規則で、反応が難しく、環境の変化になれにくい。約10%
3.出だしの遅い子:環境変化には慣れにくいが、反応は穏やかで活動性が低い。約15%

カージオイド変換:子供から大人への頭蓋骨の変化

ベビーシェマ:子供の顔の特徴
人はベビーシェマに触れたとき、「守ってあげないと」と勝手に思う
(このことを「生理的触発機構」と呼ぶ)
1.大きな頭
2.ほほが丸い
3.目と目が離れている
4.顔のパーツが低い位置にある
5.丸くてずんぐりとした体形

ルイスの感情発達理論
誕生~生後6か月:基本的な感情(満足・興味・苦痛)
1歳後半:客観的な自己意識→照れ・羨望・共感
→基準や規則の獲得
2~3歳:誇り・恥・罪悪感

乳児の「泣き」は三種類に分類できる
1.基本的な泣き:基本的な波形を示す泣き。
2.猛烈な泣き:激しく泣く。子供が起こっていると思う母親もいる。
3.痛みの泣き:突然4~5秒も続く泣きが起こり、その後休みが入ってまた泣く

基準喃語(なんご):生後6か月ごろから発せられるバーバー・ダーダーという音声のこと
リズミカルな運動と喃語には何らかの関係性がある。

話し言葉の発達過程は以下の8種に分類できる
1.準備期:生後5,6か月~1歳くらいまで:喃語を話す
2.片言期:1~1歳半:初語が出現する
3.命名期:1歳半~2歳:名前を認識し、さかんに物の名前を尋ねてくる
4.羅列期:2~2歳半:知っている言葉を羅列する
5.模倣期:2歳半~3歳:大人の言葉を盛んに模倣する
6.成熟期:3~4歳:話し言葉の完成期
7.多弁期:4~5歳:自由な意思疎通ができるようになる
8.適応期:5~6歳:話し相手によって使う言葉を変える

母親と子供の絆はどのようにして生まれるのか?(なぜ子供は母親が大好きなのか?)
・二次的動因説:子供の生理的欲求(1次的動因)を母親が愛情を持って満たすことで、次第に乳児に母親の愛情を欲しいという欲求(2次的動因)が生まれる。
・インプリンティング(刻印付け):鳥が生まれてすぐに「動くもの」の跡をつけるように、乳児にも何らかのインプリンティング(刻印付け)がなされるのではないか?
・接触の快:乳児が母親に愛情を抱くのは、母親の体温が赤ちゃんの不安な気持ちを和らげるなど、母親とのスキンシップ(主に体温などのぬくもり)によるものである。

ボウルビィの愛着理論
・愛着(アタッチメント)とは人が生まれてから数か月の間に特定の人(母親や父親)との間に結ぶ情緒的な絆である
・幼少期の親との情緒的な絆(愛情)は心の中に内在化され、大人になった時に家族以外の人々と関係を築くうえで重要な役割を果たす(内的ワーキングモデル)
・愛着は以下のような過程をたどって形成される(ボウルビィの愛着の発達理論)
第一段階:誰に対しても同じような反応を示す
第二段階:特定の人に愛着を抱き始める
第三段階:特定の人に愛着をもち、常にその人と一緒にいたいという態度を示す
第四段階:離れていても心の中に特定の人との絆ができる

乳児の愛着のタイプと特徴
A群:安定群:母親がいる時は活発な探索行動を示す。母親がいなくなると泣き、探索行動は減少する。
B群:回避群:母親がいなくなっても泣かずに、母親が戻ってきても歓迎せず、むしろ回避するような行動をとる
C群:アンビバレント群:不安傾向が強く、母親にくっついていることが多いため、探索行動をあまり行わない。母子分離時には激しく泣き、再開時には怒りや反抗的な態度を示す。母親への愛着と反抗を共に示す群
D群:無秩序・無方向群:顔を背けながら母親に近づくという、接近行動と回避行動がともにみられる。不自然でおびえた、ぎこちない表情をする。
A群の養育者は子供の感情のシグナルに敏感に反応し、適切な対応ができている。B群C群の養育者は子供からのシグナルに鈍感であったり、無視する傾向にある。D群の養育者は精神的に不安定で、子供をおびえさせる傾向にある。

 

3章:幼児期の発達

ものをつかむ行為の発達=「目と手の協応」と、指の筋肉の機能的向上

幼児のお気に入りの物や癖は以下の通り
・口に関わる癖:指しゃぶり、爪噛み、舌吸い
・ものへの愛着:タオル、毛布、ぬいぐるみなどへの愛着
・母親の体をいじる癖:母親の耳たぶや紙、腕やひじなどを触る

「移行対象」=「子供の愛着の対象が母親から別のものに移る成長の過程において、タオルなどの子供に一体感や安心感を与えてくれるようなもの」
「移行減少」=「母親や自分以外の対象物(移行対象)へと関心が移ること」

日本において移行現象の発生率は約30%で欧米よりも低い。
その理由は日本では母親との添い寝をする習慣があるから?

一歳半くらいから幼児は自分を認識し始める(鏡に映った自分を認識する)
そして、この自己の認識は他者との関わり合いの中で形成される

第一次反抗期(「いや!」「だめ!」)が見られる理由は、幼児に自我が芽生えつつあるから。
(自分と親は違う人間だ、という意識があるからこそ、自分の気持ちや意見を表現することができる)

自尊感情は自我の意識の芽生えと共に発達する(他者と自己を比較できるようになるから)

自己抑制=自分の欲望をコントロールして我慢する能力のこと。

オーバーコントロール:ゆるいしつけ
アンダーコントロール:厳しいしつけ
親はこの二つのコントロールの中間に位置すべき
(p105にチェックリストあり)

ピアジェによる子供の思考の発達段階
・感覚運動期(0~2歳)
原始反射を使って外部へと働きかける。口唇探索反射を使っておっぱいを飲むなど。
手を上下に振るなどの単純な動作を試行錯誤しながら繰り返す(循環反応)傾向がみられる。
・前操作期(2~7歳)
自分の立場から見た関係なら理解できるが、他者からの見方を理解できない(内包の次元)=自己中心性
イメージによって思考をする。無生物にも生命があると思う「アニミズム」という思考を持っている
物の保存の概念の発達が不十分。見た目を主な根拠にしており、論理的思考には向かない
・具体的操作期(7~11歳)
物の保存の概念が確立され、見た目ではなく論理的に考えることができるようになっていく。
物事をカテゴリーに分けて、概念的にとらえることができるようになる(ヒトなど)
・形式的操作期(11歳~成人)
抽象的な概念であっても、仮説を立てて系統的に見ることができるようになっていく。
この中でも、前操作期における「自己中心性」「アニミズム」「物の保存の概念」が幼児期の特徴。

アルバート坊やの恐怖付け実験
恐怖心は学習によって植え付けることができることや、環境によって人の情緒は形成されていくことを発見。

「心の理論」が成立するのは4歳ほど。
「心の理論」の成立過程は以下のようなもの
1.「二項関係:自分と他人」から「三項関係:自分・他人・もの」になる
2.他者と一緒にものに注目できるようになる(共同注目)
3.他の人には自分とは違う興味があることを理解する

「ごっこ遊び」も心の論理を形成するために役立つ

「誤信念」とは、ヒトが持っている、現実の事実とは異なった信念のこと
ヒトが誤信念に基づいて行動することが分かるようになるのも「心の論理」の発達の一つ

「外言」:コミュニケーションの手段として用いられる言語
「内言」:声に出さず、心の中で考えている時に発せられる言語

子供の一人言とは「内言の原型」だと考えられており、以下の7種類に分類できる
1.うた
2.擬声
3.会話
4.一人話
5.感想
6.思考
7.その他

幼児は遊びを通じて幼児期に必要な能力である「自律性」「社会性」「知的能力」「運動能力」「情緒」「自己充実感」などを身につける。

遊びの分類は以下の通り
・ピアジェによる分類
機能遊び、象徴遊び、ルール遊び
・パーテンによる分類
何もせずにぼんやりしている
一人遊び
傍観者的遊び
並行遊び
連合遊び
協同遊び

幼児期の友人関係
3歳児:相手の関心を惹くように、間接的に遊びに誘う(「ブランコ空いてるよ」)
4~5歳児:直接自分の意思を表して遊びに誘う(「いっそにあそぼ」「仲間に入れて」)
また、2歳児以降は友達と「隣や直角に座る」ことを好む。

子供はけんかを通じて相手の考えていることを理解する。思いやる心を学ぶ。
幼児期の親は「子供の安全地帯」になってあげるべき

子供時代に流行ったものはジェンダー的思考を与える
(Originals)

 

4章:児童期の発達

児童期は6~12歳のことで、小学生くらいのころ

児童期は身長が40㎝も伸び、体重は約2倍になる

児童期になると親よりも自分の仲間が大事になってくる。
4~5人の閉鎖的な仲間関係を作ることが多く、その集団のことを「ギャンググループ」と呼び、その時期を「ギャングエイジ」と呼ぶ。

9歳の壁=小学校3~4年生くらいの時期に直面する、勉学上での問題のこと。

2人兄弟は以下のように分類できる
1.保護・依存関係:一方がもう片方を保護する
2.対立関係:対立する関係
3.共存関係:行動を共にする関係
4.分離関係:相互のやり取りが少ない関係

また、二人兄弟の性格は以下の2つ
1.長子的性格:口数が少なく、ヒトの話の聞き手に回ることが多い。仕事をするときに失敗を避ける。何かを行う時は人の迷惑を考える。
2.次子的性格:おしゃべり。人に褒められるとすぐに調子に乗る。人まねが上手。親に甘えるのが上手。

(この兄弟関係の考察はアダム・グラントの方がしっくりくる)

スタンレー・ホール:「一人っ子であることは、それだけで病気である」
一人っ子の性格的特徴は以下
・わがまま
・引っ込み思案
・協調性がない
・凝り性
・競争心がない
・慎重で完璧主義

道徳性の発達理論は以下の3つ
・フロイトによる精神分析的理論:イド・自我・超自我がパーソナリティーを構成しており、社会的道徳行動の基盤は、男根期に形成される親から見放されるかもしれないという不安感や罪悪感によるものである
・バンデゥーラによる社会的学習理論:自分の身近な人の言動を見ているうちにその言動が身につく
・コールバーグによる道徳性の発達理論:道徳性の発達には3段階ある
1.前慣習的段階
ステージ1:懲罰志向ー罰を受けることを恐れて権力(法律)に追従する
ステージ2:道徳的快楽志向ー自分が利益を得ることを重視する
2.慣習的段階
ステージ3:よい子志向ー社会的に喜ばれることがよい行動だとするタイプ
ステージ4:権威志向ー法律や秩序、権威を重視するタイプ
3.脱慣習的段階(全人口の20%)
ステージ5:社会契約志向ー規則を絶対視ぜず、それに代わる正当な理由と手段を重視する
ステージ6:個人的理念に基づく道徳性ー正義、尊厳、平等を重視する

が、このコールバーグの道徳性の発達理論には批判が存在する
・男性と女性で道徳的判断は異なる
・男性は「正義や自立、自己責任を主張する」傾向にあり、女性は「他者をケアする、すべての人が幸せになれることを重視する」傾向にある
→コールバーグの道徳性の発達理論は男性的な道徳観に偏っている。

カナダ人のバンデゥーラは「社会的学習理論」と「自己効力感」の研究で知られている
社会的学習理論を支える間接証拠として「観察学習」を例に挙げている
観察学習とは、「モデルの行動を見ることによって、その行動を学習する」こと。
子供は大人をモデルとして見ており、大人が行った行動を観察学習し、自発的に模倣する傾向にある。

現在の知能検査の代表例
・田中ビネー知能検査Ⅴ:知能指数(IQ)=精神年齢/生活年齢x100
・WISC-Ⅲ:同じ年齢の母集団の知的水準(100とする)とどの程度ずれているか?を出す
・その他いろいろ(専門的なので、p147~p149を参照)

知能の定義は以下の3つ
1.知能とは抽象的な思考能力である
2.知能とは学習する能力である
3.知能とは新しい環境に順応する力である

学習には条件がある
・古典的条件付け:受動的に身につけた学習
・オペラント条件付け:自発的な行動と反応による学習

「やる気」は心理学では「達成動機」と呼ばれる。
達成動機の定義は「難しいことでも高い水準を目指して自分の力でやり遂げようとすること」

達成動機には2種類ある
・外発的動機づけ:周囲の環境から(特に大人から)与えられる刺激によって決まるやる気
・内発的動機づけ:心の内側から生まれるやる気(「あんなふうになりたい」「好き」などの感情)
(内発的動機づけと知力投資説は関連付けできる?)
(内発的動機を十分に満たせるような環境がそろったときに、性格が生まれる)
内発的動機が育つと、子供は成長できる

ピグマリオン効果(生徒への期待がやる気をもたらす)=自己実現、達成予言?-記事参照

しかし、失敗が続くと諦めに近い感情が生まれることがある(学習性無力感byセリグマン)

励まし。支え。失敗を笑いに変えるユーモア。失敗を許容する力を身につける教育。挑戦せず、失敗をしないことに対する叱責。

エゴ・レジリエンス:過度のストレスにさらされたときに、自我を調整する力のこと。
ストレスがかかった時に、エゴ・レジリエンスが働いて、自我を守ってくれる(学習性無力感を防ぐ)
エゴ・レジリエンスの高さは、思考の柔軟性や前向きさに関わってくる
エゴ・レジリエンスが低いと、学習性無気力感を感じてしまう。
「エゴ・レジリエンスを高めるためには、幼い時から両親(特に母親)からの暖かい励ましが必要である」という説がある。

いじめの定義は被害者の気持ちを重視したものになっている
「いじめとは、一定の人間関係のあるものから、心理的、物理的な攻撃を受けることにより、精神的な苦痛を感じることである。」
結果として、認知されるいじめの件数が増えた。

いじめは以下のような種類に分けられる
・からかい的いじめ(からかい)
・仲間内での隷属的いじめ(パシリなど)
・集団全体が関与するいじめ(無視など)
・犯罪的いじめ(犯罪)

いじめのメカニズムは以下の2つで説明される
・緊張理論:欲求不満や葛藤を抱えると、それを軽減させようとする心理が芽生え、その手段として攻撃的な言動(いじめ)になる、という理論
・統制理論:良心や自分の中の規範意識が低下しているために、情動を統制することができなくなっていじめをを行う、という理論

・いじめっ子の特徴
ストレス解消のために憂さ晴らしをしたい
過去にいじめられた経験がある
自分の思い通りにならないと気が済まない
家庭の問題
性格の問題
劣等感があり、人を陥れたいと考える

・いじめられっ子の特徴
友達がすくない
動作が機敏でない
体が小さい
誰にでもやさしい
口が達者でませている
色々言われても言い返せない
おとなしい

不登校=年間30日以上の長期欠席者のうち、経済的・身体的理由を除いたもの

不登校の理由は大きく分けると3つ
1.学校生活の問題
2.本人の問題(本人の問題???)
3.家庭環境の問題

 

5章:青年期の発達

青年期=12,13歳~22、23歳までとされてきた。が、近年は青年期の開始時期は早くなり、終わる時期は遅くなっている。その理由には「発達加速現象(身体的発育が昔と比較して加速している)」や「経済的自立の遅れや晩婚化」がある。

青年期は子供に属さず、大人にも属さない、境界に存在する。

また、青年期の時期は「第二の個体化の時代」と呼ばれる。
第一の個体化:母親と自分は異なる存在だということを自覚すること
第二の個体化:両親から精神的に自立すること。

思春期は青年期の始めりの時期。

青年期の一番の課題は「アイデンティティ」を確立すること。
アイデンティティとは、過去・現在・未来の3つの時間軸の中で「自分は自分である」という確固たる認識のこと。
「自分はどんな人間なのか?」
「自分は将来何がしたいのか?」
「自分は何のために生きているのか?」
という質問に答えることで、確固たる自分を決める必要がある。

アイデンティティを確立できているかのチェックリスト
1.私はときどき、いったい自分はどんな人間なのかが分からなくなる
2.異性とデートすることなどほとんどない
3.今の自分は本当の私ではない
4.私は自分に自信が持てないことがある
5.私は自分がどう生きればよいのか分からない
6.私には不安なことがたくさんある
7.自分の考え方(価値観)が正しいかどうか迷う
8.ときどき、無責任な行動をとってしまう
9.困った時には親の考えに従うようにしている
10.本当にやりたい仕事がまだ見つかっていない
7つ以上当てはまれば、アイデンティティの確率ができているとは言えない。
当てはまる数が少ないほど、アイデンティティの確立に近づいている。

マーシャのアイデンティの4つのステイタス
マーシャはアイデンティについて、危機(いくつかの自身の可能性について悩み苦しむこと)と積極的関与(自分の考えや信念を表現し、それに沿って行動すること)の二つの側面から考察し、アイデンティを4つに分類した。

アイデンティ・ステイタス

危機

積極的関与

概要

アイデンティ達成

経験した

している

自分が正しいと思う生き方・信念に従って現実的に行動している状態

モラトリアム

経験の最中

しようとしている

今の自分の生き方について、試行錯誤を繰り返して悩んでいる状態

早期完了

経験していない

している

親が子供に求める生き方・目標・価値観を受け入れて、それを疑わない状態

アイデンティ拡散(1)

経験していない

していない

自身の可能性について悩んだことがなく、何者かである自分自身を想像することが不可能な状態

アイデンティ拡散(2)

経験した

していない

全てのことが可能だと思っているが、現実を受け入れることが怖い

時間的展望とは、「将来に対する見通し、期待、目的、希望」のこと。
青年期には時間的展望を多く持っており、将来に対する見通しを確立することが重要。
将来に対する見通しを確立できるからこそ、努力できる。

性役割期待:「男子は強くたくましく、女性はおしとやかに」など、社会が性に期待する行動や態度のこと。
いわゆる「男らしさ」と「女らしさ」。

現在では男性も女性もどちらも両方の性役割期待を持っているとされており、そのような概念を「アンドロジニー」と呼ぶ。

青年期特有の、親への反抗や非難は成長している、自立している証拠。
青年期に親から心理的に自立しようとすることを「心理的離乳」と呼ぶ。
心理的離乳においては、青年期の若者は親とは違った価値観、信念、理想を確立しようとしている。だからこそ、親に心理的葛藤を覚えて、反抗する。

娘が父親を魅力と判断する一番の基準は「両親の仲がよいこと」
娘にとって母親は最も身近な同性であり、娘と母親の結びつきは強いとされる。
そして、父親は最も身近な異性であり、母親を大事にしているような父親を見ると、父親のような異性を見つけて自分も将来結婚しよう、と思う。
また、父親は最も身近な異性として、娘の男性観を形成すると言われている。
娘である場合は、p180,181のテストを受けてみると面白いかもしれない。

青年期に友人を持つことの意味は以下の通り
1.自分の不安や悩みを打ち明けることによって、情緒的な安定感・安心感を得ることができる
2.自己を客観的に見つめることができる(友人関係を通じて自分の長所・短所に気づく)
3.人間関係を学ぶことができる(楽しいことや嬉しいことだけでなく、傷つき、傷つけられる経験を通じて思いやりや配慮などについて学ぶ)
この3つの意味があるからこそ、青年期の友人は一生ものになる。

しかし、現代の青年期の友人関係は表面的な付き合いだけが主になっている
1.群れ群:皆でいることを重視する
2.気遣い群:互いに傷つけないように気を使ったり、互いの約束を破ることを絶対にしない
3.ふれあい回避群:互いのプライバシーに踏み込んだり、心を打ち明けることをしない
しかし、本人たちは本当は内面的な深い交流を求めている可能性がある。

「あなたは友人を気遣うタイプ?」を判断する質問集:p183

恋愛の始まりは基本的に友人関係から発展するものだが、友人として「好き」と異性として「愛している」の違いは何か?
「好き」と「愛している」の違いを区別する尺度を開発したのはルビンという心理学者
「好き」チェック
1.○○さんのような人になりたい
2.○○さんと私は似ているところが多い
3.○○さんはとても良い人だ
4.○○さんは皆から尊敬されている
5.クラスの選挙では○○さんを推薦したい
「愛している」チェック
1.もし○○さんが元気がなかったら真っ先に励ましてあげたい
2.○○さんのためなら、どんなことでもしてあげたい
3.一人でいると○○さんに会いたくなる
4.○○さんといると顔を見つめてしまう
5.○○さんからメールがこないと寂しい

日本の青年は独立意識が低いのにも関わらず、親との関係性は希薄である。
独立意識のチェックはp187

摂食障害の人の共通点は以下の通り
・良い子、素直
・長女
・完璧主義、まじめ
・容姿に何らかのコンプレックスを抱いている
良い子の行動をやめて、自由でありのままの自分をさらけ出していくことが、摂食障害から抜け出す一つのきっかけになる

「恋は盲目」と言われる理由は以下の二つ
1.恋愛相手を美化する傾向にある
2.恋愛相手と同じ動作をする傾向にある(同調作用)

 

6章:成人期の発達

ユングによる「人生の段階論」
・人の一生を太陽の変化に例えると、40歳前後の中年期は人生の正午に当たる
・「日の出から朝9時まで」は少年期、「朝9時から正午まで」が成人前期、「正午から午後三時まで」が成人中期、「午後三時から夕暮れまで」が老人期。
・日が正午を回ると、影が反対方向にできるように、中年期を過ぎて初めて今までとは異なる価値観にであることもある。

中年期には親の死や自分の病気などによる人生の転機が訪れることがある。
ユングはそのような転機によって自己の価値観が変化することを「自己実現の過程」もしくは「個性化の過程」と呼んだ。

40歳以降の変化にとんだ人生をどのようにして上手く生きていくか、が自己実現だとしたら、成人期以降の人生は希望に満ちていると解釈できる。

中年期の心理的変化には否定的な面肯定的な面が存在する
・否定的な面
1.身体感覚や体力の衰え、体調の変化
2.時間的展望の狭まりと逆転
3.生産性における限界感の認識
4.老いと死への恐れや不安
・肯定的な面
自己が確立しているという意識と安定感の増大

レヴィンソンは人生を4つの季節に例えた。そして主に3つの「過渡期」が人生には存在すると考えた
1.成人への過渡期:17~22歳(概算)
2.人生半ばの過渡期:40~45歳(概算)
3.老年への過渡期:60~65歳(概算)
この過渡期の期間中に新しい生活構造に適応する準備をしておくことが、人生を安定的に歩めるかどうかの鍵になってくる

未婚化・晩婚化の原因
・性役割期待の変化

現代女性が理想とする結婚相手の条件は3Cだと言われている
・Comfortable:安定して十分な収入がある人
・Communicative:価値観やライフスタイルが一緒である人
・Cooperative:家事や育児に協力的で、進んでこなしてくれる人

親になることによってもたらされる意識の変化
・男性
一家を支えていくのは自分しかない、という意識をもつ
妻よりも、自分は良い親になれるという自信をもつ
・女性
親になる実感を夫よりも持つため、責任感を感じる
親になることで人間的に成長したという意識をもつ
その反面、家事や行動の制限に対する負担感を感じる

他にも、
・協調性、誠実性(責任感や自制心)、社会性は年齢が上がるにつれて高くなっていく
・開放性(好奇心)は年齢が上がると明らかに低下する
・親になると柔軟性が高くなり、物事を「運命(自分の意思ではどうしようもない)」と受け入れる傾向が強くなる
ことが指摘されており、「老化を含めて人は常に自己を発達させている」と考えるべき

虐待の原因
・育児のストレス
・幼児期の自身の虐待体験

結婚前は和気あいあいとして仲がよい男女でも、親になると親密性が明らかに低下する
また、女性は育児へのストレスなどで、どんどん頑固になっていく。
そして、夫は妻に対して不快なことがあったとしても我慢してしまう傾向にある。
(昔はこんな女性ではなかったのに…)
P204,p205に夫婦関係の変化についての分かりやすい字がある

その理由は
・妻は「夫が育児に積極的に参加してくれない」と感じる
・夫は「妻が育児に疲れてイライラしている」と感じる
からだと考えられる

更年期とは「生殖期と非生殖期の間の移行期のことで、卵巣機能が減衰しはじめ、消失するまでの期間」
45~55歳くらいが更年期に当たる

更年期を乗り切るこつは「くよくよしない」こと

「発展的制御の行為位相モデル」
・中年になると、衰えなどの喪失によって、目標への取り組み方を変えたり、目標自体を諦めることを日常的に行うようになる
・その理由は二次的コントロールが多くなるから
1次的コントロール:周囲の環境に自ら積極的に働きかけることにより、自分の希望に沿うように環境を変えること
2次的コントロール:自分の内面に働きかけ、自分の目標や希望を相応のものに調節すること
中年期以前は1次的コントロールが主体だが、中年期になると、2次的コントロールが占める割合が多くなる。

DVについての考察はp201
DVを行う男性の特徴は、自己評価が極端に低い、男性至上主義、嫉妬深い、自分のストレス発散に暴力を用いる、など

 

7章:高齢期の発達

知能には以下の2種類があり、結晶性記憶は加齢ではほとんど低下しない
・流動性知性:未知の課題や、これまで経験したことのない問題に対処する知能
・結晶性知性:学習、教育、経験などで蓄積する知能

記憶は保持される期間の長さに応じて、以下の3つに分類される
1.感覚記憶
2.短期記憶
3.長期記憶
また、長期記憶は以下の3種に分類される
1.意味記憶
2.エピソード記憶
3.手続き記憶

死の受容プロセス=キュブラー・ロスモデル
否認、怒り、取引、抑うつ、受容の5段階(状態)

EQ=emotional Quotient(心の知能指数)
EQは人格的知性の知能指数。
EQを提唱した心理学者のゴールマンは以下の5つの要素が、良い人生を送るうえで重要であると述べている
1.自分の情動を知る
2.感情をコントロールする
3.自分を動機づける
4.他人の気持ちを汲み取る
5.人間関係を上手く処理する

 

付録:発達のつまずき

発達障害とは何か?についてのまとめ。
自閉症やAD/HD、LDなどの代表的な発達障害について、それぞれの区別・判断や治療法を書いている。

 

この本から学びたいこと

発達心理学とは?

人の発達は受胎から死までの連続の流れとしてとらえるべきだ、という生涯発達の発想で、人の発達期を8つに分類し、それぞれについて人の行動特性、心理的傾向やその獲得理由について明らかにしていく学問

発達心理学の根幹をなす概念は?

人の発達は受胎から死までの連続の流れとしてとらえるべきだ、という生涯発達の発想

発達心理学は日常生活のどのような場面に使えるのか?

育児、人間関係の構築、恋愛と友情の区別など

発達心理学はどのようにして生まれた?

発達心理学は児童心理学から名称が変化した。その理由は人が長寿になったから。

また、成人になっても心理的傾向が変化するので、人は生涯にわたって発達を続けるという生涯発達の概念が生まれたから。

発達心理学と学習についての関係を知りたい

何の学習?思考の場合は、「ピアジェの子供の思考の発達段階」が役に立つ。

ピアジェによる子供の思考の発達段階
・感覚運動期(0~2歳)
原始反射を使って外部へと働きかける。口唇探索反射を使っておっぱいを飲むなど。
手を上下に振るなどの単純な動作を試行錯誤しながら繰り返す(循環反応)傾向がみられる。
・前操作期(2~7歳)
自分の立場から見た関係なら理解できるが、他者からの見方を理解できない(内包の次元)=自己中心性
イメージによって思考をする。無生物にも生命があると思う「アニミズム」という思考を持っている
物の保存の概念の発達が不十分。見た目を主な根拠にしており、論理的思考には向かない
・具体的操作期(7~11歳)
物の保存の概念が確立され、見た目ではなく論理的に考えることができるようになっていく。
物事をカテゴリーに分けて、概念的にとらえることができるようになる(ヒトなど)
・形式的操作期(11歳~成人)
抽象的な概念であっても、仮説を立てて系統的に見ることができるようになっていく。

発達心理学と死についての概念について知りたい。

高齢期に死を受容できるか?の課題。

衰えなどの喪失が増え、二次的コントロールを行うことが多くなり、「死は仕方ないものか」と受け入れることを行う。

死の受容プロセス(キュプラー・ロスモデル)も参考

自分自身が親からどのような影響を受けているのかを知りたい

幼児期に親が愛情を注いでくれるかどうか、子供の感情の機微に反応してくれるかどうか、によって、発達課題である「信用vs不信用」「自主性vs罪悪感」などを解決していくことによって、成長できる。

基本的に発達課題が解決されなければ、パーソナリティーに何らかの異常が起こる。

児童期に親からの暖かい支えがあると、エゴ・レジリエンスを獲得できる。

また、異性の親は子供にとって最も身近な異性であるため、子供の異性に対する価値観も影響を受けている。

幼児期の教育に発達心理学は使えるのか?

使える。幼児期には様々な課題がある。感情発達理論(基本的な感情→客観的自己意識→恥・自尊心etc)やボウルビィの愛着理論によって、愛情の重要性を理解できるし、言語の発達段階を理解することで、適切な言語教育の時期が分かったりする。また、思考の発達段階を理解することで、次にどのような教育をすればよいのか、も明確化される。

ートマスとチェスの気質の研究とは?

乳児の気質は9個のカテゴリーに分類でき、主に3つのタイプの個性(気質)がある。
1.扱いやすい子:反応が穏やかで、機嫌も良く、生理的リズムも安定し、環境の変化にもすぐ慣れる、育てやすい子供。全体の約40%
2.気難しい子:生理的リズムが不規則で、反応が難しく、環境の変化になれにくい。約10%
3.出だしの遅い子:環境変化には慣れにくいが、反応は穏やかで活動性が低い。約15%

乳児の9つの気質は以下

カテゴリー

特徴

1.活動性水準

高い:絶えず活発に動き回る

低い:すやすやと眠って過ごす

2.周期性

高い:一定の時間に食事をし、一定の時間に眠る

低い:毎朝違った時間に起き、食事時間もバラバラ

3.接近/回避

接近:新しい顔、食べ物、おもちゃに接近して、手を伸ばしたり笑ったりする

回避:上記の物を拒否したり、遠ざけたりする

4.順応性

高い:入浴などの新しいものにすぐに慣れて、楽しく遊ぶ

低い:突然の鋭い音、おしめを変えることなどに慣れようとしない

5.反応の強さ

強い:声高に笑ったり、ギャーギャー泣いて暴れたりする

弱い:空腹時でもすすり泣く程度で、衣服が手足に引っかかっても騒いだりしない

6.気分の質

高い:1日中にこにこ笑っている

低い:ゆすられてあやされても泣いている

7.固執性

高い:物に固執する。特定のおもちゃを飽かずに遊ぶ

低い:おしゃぶりをすぐに吐き出すなど、特定のものに固執しない

8.気を散らすこと

多い:あやされていると空腹を忘れたり、気を簡単に散らす

少ない:食事時でも泣いたり、着替えが終わるまで騒ぐ

9.敏感さ

強い:あらゆる音や光、少しの違いに気が付く

弱い:大きな音や食べているものに気が付く程度

ーボウルビィの愛着研究とは?

愛着(アタッチメント)とは幼児期に身近に存在する親との親密な関係性、情緒的な絆のことであり、幼児期に形成された愛着は個人に内在し、他の人との親密性を獲得するために役立つ。

愛着は以下の4段階で形成される
1.誰にでも同じような反応を示す
2.特定の人に愛着を持ち始める
3.特定の人に愛着を持ち、常に一緒にいたいと思うようになる
4.離れていても、愛着を感じるようになる

 

ーピアジェの自己中心性とは?

「自分の立場から見た関係なら理解できるが、他者からの見方を理解できない」というピアジェの思考の発達段階の中での「前操作期」に見られる特異的な気質

 

ーアミニズムの理論とは?

物に生命が宿っていると考える、「自己中心性」「物質の保存の概念の未成熟」と並んで評されるほど、幼児期に特有の気質

 

目次から予測する疑問点や内容

発達心理学の基礎倫理とは?

人は生涯にわたって発達を続けるという生涯発達の概念

フロイトの性の発達段階説とは?

フロイト:「人間の生物的発達の基礎は性の本能である」

フロイトの性の発達段階説

年齢

期間

特徴

生後~1歳半くらい

口唇期

口唇を使って吸うという行為を通じて、環境との交流を図る

1歳半くらい~3歳

肛門期

排泄を通じて、環境に対する能動的な姿勢が得られる(排泄の我慢)

3~6歳

男根期

性的関心が異性の親に向けられ、同性の親を憎むようになる。両親への同一視を通じて、性役割を学習する

6~12歳

潜伏期

男根期に芽生えた親への憎しみから生じた去勢不安によって、一時的に性的関心が抑えられる

12歳以降

性器期

口唇、肛門、男根などの小児性欲の部分的欲動が統合され、対象の全人格を認めた心理的な性愛が完成する。


フロイトはこの性の発達の段階の中で、パーソナリティーの3要素が順番に形成されていると述べた
1.エス:本能としての快楽追及
2.自我:現在の意識であり、道徳的な行動をとろうとする
3.超自我:道徳心や良心に支配されている

発達心理学における生涯発達とは?

人は生涯にわたって発達を続ける

例)
・協調性、誠実性(責任感や自制心)、社会性は年齢が上がるにつれて高くなっていく
・開放性(好奇心)は年齢が上がると明らかに低下する
・親になると柔軟性が高くなり、物事を「運命(自分の意思ではどうしようもない)」と受け入れる傾向が強くなる

遺伝と環境、どちらが人の発達に大きな影響を与えているのだろう?

どちらも影響を与えている(相互作用説)。しかし、遺伝と環境が1:1で影響を与えるわけではない。

相互作用説には主に2つある
1.シェルテンの輻輳説:発達は遺伝的要因と環境的要因が収束して決まる。(ルクセンブルガーの図によって、遺伝子と環境の影響は単純に加算されるようなものではなく、別々のものであると解釈される)
2.ジェンセンの環境閾値説:遺伝によって与えられた才能を伸ばすために必要な、環境の適切さの最低限度(閾値)が存在する、という説

胎児の発達理論は簡単にどのように説明できるのか?

胎児なので、原始反射など生存のための行動と成長を勝手に起こすようになっている。

幼児期の発達理論は簡単にどのように説明できるのか?

「移行現象」=「母親や自分以外の対象物(移行対象:タオルなど)へと関心が移ること」や、
自己の認識の発達による自尊感情や、心の理論が主。

またピアジェによる子供の思考の発達段階を参考にすると、
・アニミズム
・物事の保存の概念
・自己中心性

が幼児期の発達において特徴づけられる

子供はいつから相手の気持ちがわかるようになるのか?(心の理論)

1歳半くらいに自己の認識が生まれ、自分と他人を区別できるようになる。

そして4歳前後に以下の過程を通じて心の理論は発達する
1.自分と他人という2項関係から、自分と他人とそれ以外という3項関係を意識する
2.他人やそれ以外と同じ興味・注目を持つようになる
3.他の人には自分とは違う興味があることを理解する

児童期の発達理論は簡単にどのように説明できるのか?

児童期には親よりも仲間が重要になってくる。

児童期には排他的な「ギャンググループ」という仲間を形成することが多く、その中で道徳性などの社会の基本ルール、親からの自立を学んでいく。

また、知性も急速に成長する。

兄弟は性格形成にどのような影響を与えるのか?

二人兄弟の代表的性格は以下の2つ
1.長子的性格:口数が少なく、ヒトの話の聞き手に回ることが多い。仕事をするときに失敗を避ける。何かを行う時は人の迷惑を考える。
2.次子的性格:おしゃべり。人に褒められるとすぐに調子に乗る。人まねが上手。親に甘えるのが上手。

子供のやる気を育てるためには、どうすればよいのか?

心理学ではやる気は「達成動機」と呼ばれ、「難しい課題でも、自分で工夫して高い水準を目指して努力しようとすること」

達成動機には「外発的動機づけ:親などに言われて、一時的な苦痛を避けるために行う」と「内発的動機づけ:自身の内側から生まれる「ああなりたい」「好き」などの感情」の2種類がある。

内発的動機づけが、子供の本当のやる気を育てる。

しかし、困難に直面すると「学習性無力感」を感じることがある。

そのために、児童期は親からの暖かい励ましによって「自己効力感」などを与えてあげるべき。

また、困難を乗り越えるための(エゴ・)レジリエンスも重要。

失敗を笑いに変えるユーモア。失敗を許容する力を身につける教育。挑戦せず、失敗をしないことに対する叱責。などが教育すべきこととして考えられる

青年期の発達理論は簡単にどのように説明できるのか?

青年期は子供に属さず、大人にも属さない、境界に存在する。

青年期は親からの精神的な自立を行う「心理的離乳・第二の個体化」の時代。その過程で親への反抗が見られたり、同じ悩みを共有する友人との関係性を深めることがある。

また心理的課題は「アイデンティティの確立」である。

アイデンティティは「過去・現在・未来の中で『自分は自分である』という確固たる信念」のことで、アイデンティティを通じて将来に対する見通しを確立できるからこそ、アイデンティティは重要である。

男らしさと女らしさはどのように説明できるのか?

性役割期待:「男子は強くたくましく、女性はおしとやかに」など、社会が性に期待する行動や態度のこと。

恋心とはどのようなものなのか?

「好き」と「愛している」の違いを区別する尺度を開発したのはルビンという心理学者
「好き」チェック
1.○○さんのような人になりたい
2.○○さんと私は似ているところが多い
3.○○さんはとても良い人だ
4.○○さんは皆から尊敬されている
5.クラスの選挙では○○さんを推薦したい
「愛している」チェック
1.もし○○さんが元気がなかったら真っ先に励ましてあげたい
2.○○さんのためなら、どんなことでもしてあげたい
3.一人でいると○○さんに会いたくなる
4.○○さんといると顔を見つめてします
5.○○さんからメールがこないと寂しい

アイデンティティはどのように形成されるのか?

アイデンティティの形成は、マーシャのアイデンティの4つのステイタスから考慮できる

マーシャはアイデンティについて、危機(いくつかの自身の可能性について悩み苦しむこと)と積極的関与(自分の考えや信念を表現し、それに沿って行動すること)の二つの側面から考察し、アイデンティを4つに分類した。

アイデンティ・ステイタス

危機

積極的関与

概要

アイデンティ達成

経験した

している

自分が正しいと思う生き方・信念に従って現実的に行動している状態

モラトリアム

経験の最中

しようとしている

今の自分の生き方について、試行錯誤を繰り返して悩んでいる状態

早期完了

経験していない

している

親が子供に求める生き方・目標・価値観を受け入れて、それを疑わない状態

アイデンティ拡散(1)

経験していない

していない

自身の可能性について悩んだことがなく、何者かである自分自身を想像することが不可能な状態

アイデンティ拡散(2)

経験した

していない

全てのことが可能だと思っているが、現実を受け入れることが怖い

 

このように、危機(いくつかの自身の可能性について悩み苦しむこと)と、積極的関与(自身の可能性を考慮し、それに基づいた信念の発信や行動)の二つによってアイデンティティは形成されると考えられる。

成人期の発達理論は簡単にどのように説明できるのか?

成人期には、親の死や自分の病気などによる人生の転機が訪れることがある。
ユングはそのような転機によって自己の価値観が変化することを「自己実現の過程」もしくは「個性化の過程」と呼んだ。

成人期の発達には肯定的な面や否定的な面があり、親になること、育児をすることによる心理的変化が代表的。

また、1次的コントロール(自ら環境を変えようと行動すること)よりも、二次的コントロール(環境に合わせて自身の目的や行動を変化させること)を多く行うようになる。

なぜ子供を虐待するのか?

虐待の原因は主なものに以下の2つ
・育児のストレス
・幼児期の自身の虐待体験

特に母親自身のストレスが原因になっている、とされる。

高齢期の発達理論は簡単にどのように説明できるのか?

体の変化、記憶の変化、死の受容などが代表的。

基本的には「喪失」をどのように受け入れるか?で特徴づけられる。

発達障害は発達心理学で説明できるのか?

説明できる、というか発達心理学の発達課題を解決することができない一例として挙げられる。

発達障害には遺伝的要因が大いに存在するので、発達障害の発現メカニズムなどは、発達心理学単体では説明できない。

 

・なぜ自分にとって、この本を読むことが重要なのか?

発達心理学を学び、ヒトの心や性格への理解を深めるため。
また、日常の生活に発達心理学を用いたいから。

 

参考文献


手にとるように発達心理学がわかる本

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