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読んだ本紹介 仕事・働き方

無料から利益を生み出すためには?~「フリー<無料>からお金を生み出す新戦略」の書評・要約・レビュー・感想~

投稿日:2018年9月30日 更新日:

「フリー<無料>からお金を生み出す新戦略」を読んだので、その内容の要約と各章の要旨です。また、今回は個人的な書評も記しておきます。(読んだら忘れない読書術はこちらを参考に)

経済の流れや世の中の「フリー(無料)」を中心とした動きについて、興味が少しでもある人は読んでみることをオススメします。かなりの良著です。


フリー 〈無料〉からお金を生みだす新戦略

 

書評

約350ページの分厚い本でしたが、かなり多くのことを学ぶことができました。経済のことを普段勉強していない私でも理解できる程度で、「フリー(無料)」の実際のビジネスにおける効果や、これまで世界が「フリー」をめぐってどう変わってきたか、そしてこれから21世紀を生きていく中で「フリー」がどのような中心的な役割を果たしていくのか?が明確に示されています。

また、経済学だけではなく、心理学や数学の観点からも「フリー」について語られており、多面的な見方ができる非常に優れた本だと思います。筆者の分野を限定しない好奇心がうかがえる作品とも言えそうです。

そしてこの本では、読者にこれからどのようにして「フリー」を利用して世界を動かしていくのかを考え続けることを推奨しており、そのための10の条件や50個の具体的事例が巻末に載っていることも参考にすることができます。

ネット世界の拡大によって「フリー」はかつてないほどまでに普及しています。そして、これからどんどん止まることなく普及していくでしょう。ビジネスや経済に興味があり、世の中がどのようにして動いているのかに興味がある人にとっては、かなりの良著です。

この本が出版されたのは2009年。当時はYoutubeなどのネット上の動画市場がここまで発展すると考えることができた人がどれだけいたでしょうか?しかし、ネットの進歩は常に人々の予想の先を行くものであり、その予想を誰よりも速く的中させることができる人が、これからの世界を動かしていくのでしょう。

この本がこれからの世界を生きていくために役立つこと間違いなしです。

 

全体の要約

技術革新によるフリー(無料)の達成は既存の価値を破壊する。そしてフリー化は絶対に止まらない。あらゆるものがフリーとみなせるようになっていく。

しかし、フリーという潤沢さは、アイデアや創造性に沿った希少性という価値を生み出す。人々は希少性のあるものに注目し、だからこそフリーと有料は二つとも発展することができる。フリーは利益を生み出すことには使えないが、注目の最大化と信用の獲得、商品の価値や質の伝達をもたらしてくれる。そして、全体の10%程度の価値が伝わった人々や、それを本当に必要としている人が、利益の出る有料商品を買う。

「自分のビジネスをフリーにするとしたら、どこを、いつ行う?」
「フリーによって獲得した注目と評価をどのように利益につなげていく?」

などを常に考え続け、自分自身にあったフリー戦略こそが、このネット時代を生き抜くための唯一の方法である。

 

各章の要旨

まえがき

フリーは新しいものではないが、変わり続けている。
新しいフリーを理解する人こそが、現在の市場を破壊する。

 

1章:フリーの誕生

21世紀のフリーは「ものやサービスの価格を無料まで引き下げる」というもの

 

2章:「フリー」入門

フリーのビジネスモデルには4種類あるが、
共通点は「内部相互補助」=「他の収益でカバーすること」。

内部相互補助は以下の3つが主

・有料商品で無料商品をカバーする
・将来の支払いが現在の無料をカバーする
・有料利用者が無料利用者をカバーする

そして、フリーのビジネスモデルは以下の4つ

直接的内部補助:利益を出せるサービスやモノを売るために、目玉となる、集客となるものを無料にする。
三者間市場無料で何かを提供する代わりに、参入す第3者が費用を払う。広告収入は広告を掲示する人が、視聴者や訪問者に無料でコンテンツを届けるが、その見返りとして広告主から報酬を得る。そして広告主は視聴者に商品を買ってもらう、という三者が入り混じった形式。クレジットカードもこの一部
フリーミアム:無料ユーザーと有料ユーザーを(多段階で)分けることで収益を得る。有料ユーザーは全体の5%しかいなくても良い
非貨幣市場:サービスが全て無料である代わりに、個人情報などの何らかの対価を支払っている。対価を支払っていることにほとんどのユーザーは気が付かない。

 

有料、無料以外に、第三の価格として「利用するとお金がもらえる」という価格がある。
(キャッシュバックなど)
そして、人々は第三の価格をまるで宝くじに当たったかのように浪費する傾向にある。

結論:たとえフリーであっても、利用するだけで何らかの価値を見返りとして提供している

 

3章:フリーの歴史

親しい間柄では、信用、親切、善意、評判が貨幣の役割を果たしている、のでほとんどがフリーで供給される。

「全てのものに価値がある」という考えはここ数世紀の間の短期的な考えでしかない。
贈与経済は、市場経済よりも人間の自然の状態に近い

だが、実社会で贈与経済を試みると、「ダンバー数」が邪魔をしてくる。
(ダンバー数=150人程度。人間のコミュニティで各メンバーが強い絆で結ばれる最大数)

フリーの価値は物が潤沢にある時代になって、人々が飢餓で悩むことがなくなり、科学技術が発展してやっと認められてきた。

既に利益を上げている商品やサービスをフリーにして、集客をする。そして集めた客に新たな商品を売る。これが基本戦術。

昔からの生存戦略のせいで、人間はものが潤沢にあることよりも、ものの希少性に惹かれる。
(人間の創意工夫と発見が、資源の枯渇を防ぐ)

現時点で希少性があるものも、科学技術の発達やグローバリゼーションによってコモディティ化される(潤沢になる)。製造業→知的生産などのように、価値を希少性という面で考えると分かりやい。(例:塩の価値変動)

人々は潤沢にあるものについては、個人の意識(個人が好きに扱ってもよい)から、集団の意識(社会全体を見ることで行動を抑制する)に変わった。その例はプラスチックの環境汚染の影響を受けて、プラスチックのリサイクルが始まったことなど。潤沢に存在するサービス(運送など)に人々は個人の意識を働かさない。その理由は、希少性がなく、個人が影響を与えることができないから。

 

4章:フリーの心理学

人がフリーのものを「価値がある」or「価値がない」と考える基準は、「それがもともとフリーで提供されていたかどうか」である。

お金を払ったものに人は価値を感じる(お金を払うかどうか、という選択をするから)ので、価格は消費者が「価格の低下による品質の低下」を感じない程度まで下げる。

だが、「心理取引コスト」というものを考えるべきである。
心理取引コストとは、考えることに費やされるコストのこと。
人はできるだけ物を考えたくないので、「1円でもお金を払う価値があるのかどうか?」を考えたくない。だからこそ、考えなくて済むフリーを選びやすい。

1円でも有料なものと、完全にフリーなものとの間には、圧倒的な心理障壁がある。数倍の差になる

コンテンツの提供者は、有料で何かを提供することを諦めたほうがいい?

フリーは消費者の「損をするかもしれない」という心理障壁をとり除くため、考えずに(心理取引コストがかからずに)行動することができる。そのため受け入れられやすい。

また、アマゾンが通常の送料を高くして、送料無料を歌ってサブスクリプションモデルを形成している理由は、人々がフリーなものを選ぶ確率が高いから。

また、送料無料、返品無料の商品は、既に商品に送料が含まれているため高い価格ではないが、その利便性で多くの消費者が利用することがある。
だが、人は潤沢にあるものについては集団意識を働かせるため、「返品することが申し訳ない」と思ってそもそも買わないという事態になることがある。

人はフリーなものは潤沢にあるものだと思って、価値を感じないし、大事にしない傾向にある。欲しくなくてもタダなものがあれば手を伸ばしてしまうし、本当に欲しかったとしても、それがタダで提供されていると、価値を感じなくなる。

結論として、フリーは付加価値を最大化することには使えない。(ブランド品がタダで提供されるわけがないのと同様。)が、フリーはサービスの受領者を最大化することができる。参入障壁をゼロにできる。

お金を払わないために時間を使う(無料ダウンロードできるものを探すなど)は、最低賃金以下で働いていることと同じ。しかし、時間があってお金がない人にとっては、そのようなフリーを求める行動は合理的な判断となる。

人々が有料のものを買う理由は、「目的ものを確実に手に入れるため」である。一方で、フリー=オープンソースであることは、数多くの人々の目につくことであるので、フリーは信用の獲得につながる。

人々には「模範欲求」という他人と同じことをしたいという気持ちがある。その理由は、自分の行動の決断を正当化してくれるものは、他人の行動であるから。この模範欲求もフリーの拡大に貢献している。

無料と有料を組み合わせることができれば、様々な消費者心理を全てカバーできるようになる。

人々がお金を払う理由は問題解決など様々あるが、主な理由は「質」が高いこと。

海賊版を取り締まることに意味が無い。消費者がお金を払わないのは、以下の2つが理由だから。

1、金がなくて時間がある。
2、価値と品質が伝わっていない。

 

5章:安すぎて気にならない

コンピューターの情報処理能力と、デジタル記憶領域、通信帯域(まとめてデジタル・テクノロジー)は「安すぎて気にならない」レベルになっている。(ムーアの法則)何か一つが2倍になれば、価格は半分になる。

「ムーアの法則」を簡単に説明すると、アイデアを基にした技術革新によって、価格の低下と世間への普及が同時にもたらされること。

「安すぎて気にならない」とは、ただではないが、気にするほどのコストがかからないこと。
電気や燃料など現実世界のものでは「安すぎて気にならない」の実現は難しい、が確実にムーアの法則の影響を受ける。

「安くなることを予想する」ことで、市場独占ができる。理由ははっきりとは分からないけれど、安くなることが予想できるので、始めから安くしておく。(半導体産業の例)

ムーアの発言「ムーアの法則は、マーフィーの法則(失敗する余地があるものは失敗する)を無視する素晴らしいものだ。あらゆるものがどんどん良くなる。」

「学習曲線」は現実世界で必ず作用する。「学習曲線」はもともとは「エピングハウスの忘却曲線」であったが、それが学習以外の様々な分野に働くことを意味し、「ある物事を繰り返せば繰り返すほど、その物事をこなす時間が短くなること」だと簡単に解釈できる。そして、学習曲線は人間の学習効率よりも早い形で、ムーアの法則においても当てはまる。

「アイデア」こそがビジネスにおけるムーアの法則を支えている。それは「ミーム」という概念で説明できる。

「ミーム」:アイデアはとは究極の潤沢な商品であり、伝達のための費用を全く費やすことはない。そしてアイデアが生まれると、そのアイデアはまるで「意思を持っている」かのように自発的に遠くに、広く伝わっていく。そして触れたものを全て潤沢にする、潤沢の源こそがアイデアである。という考え。

つまり、物質ではなく、アイデアから生まれるからこそ、ムーアの法則は成立している。アイデアから作られるものが多くなればなるほど、そのアイデアはミームに従って簡単に伝達されるため、それだけものは安く、速くなっていく。アイデアこそが世界のフリーという潤沢さのルーツになっている。
(特許はアイデアの拡散を食い止めて、利益を生み出す行為)

技術者の仕事はテクノロジーを改善し、使いやすくし、普及させ、一般の人々に受け入れられるような形にすることである。あらゆる場所でそのテクノロジーが活躍できるようにしてやることである。そして、その使い方はユーザーにゆだねればよい。

価格が完全に無料になることはない。しかし、無料だとみなせるほど安くなる未来は思ったよりも早くやってくる。そして、「安すぎて気にならない」時になった時に、人々のフリーへのスイッチが入り、「安すぎて気にならない」ものは物事の拡散と拡大、新たな創造をもたらすようになる。

「潤沢になるとしたらどんな世界が待っているだろう?」と想像してみる。

「(ジャン・バティスト・)セーの法則」=「供給はそれに見合うだけの需要を生み出す」に従うように、必ず潤沢さという供給は何らかの形でユーザーによる需要の発明につながる。

 

6章:「情報はフリーになりたがる」

「情報は高価になりたがる。なぜなら貴重だからだ。情報はそれ一つで、人生全体を変えるような力があるからだ。しかし、情報は一方でフリーになりたがる。なぜなら、情報を引き出すための労力やコストが下がり続けているからだ。」

潤沢で誰もがアクセスできるような汎用で特異性のない情報はフリーになりたがる。しかし、特異性がある希少な情報は高価になりたがる。(個人個人に合わせたコンサルが高い理由)」

全ての情報は受け手による処理のされ方で、ゴミになったり価値になったりする。

 

7章:フリーと競争する

世の中の人々が豊かになればなるほど、寝食に使う以外のお金の余裕を持つほど、人々は「無料(で質が悪い)もの」を入手する面倒に我慢できなくなる。

有料でも買う。無料で価値を理解したからこそ、手間を省くために買う。お試しをして価値が伝わったからこそ買う。不正コピーをわざと低い品質に保つ努力はするべき。

グーグルのフリーに対抗するために、ヤフーはさらに無料にすることで対応した。

 

8章:非収益化

「人々が欲しがるものを作る」それだけで、今のフリーがはびこる時代を切り抜くことができる。収益を上げるコアプロダクトは小さなものでよい。

まずフリーでオープンソースとして提供し、提供して消費者に受け入れられた後で、どこが収益化できるかを考える。

グーグルの最大化戦略=フリーでできるだけ多くの人々に届けること。それだけ。

多ければ多いほど良い。=「流動性」が高い。
確率が低くても、母数が大きければ必ず利益が出るから。

wikipediaの登場によって、ブリタニカの利益が低迷したように、フリーは集合知という計測できない資産を形成する一方で、既存の価値を破壊する。

私たちがすべきことは、すべてのものを無料であげて、そして一部利用者がどうしても必要になった時に有料にすること。

だが、フリー戦略はグーグルなどのような独り勝ちの世界を作るだけなのではないか?という危惧が存在する。

 

9章:新しいメディアのビジネスモデル

グーグルの広告形式は、個人個人に合わせたものであり、雑誌やメディアのような興味がある10%を対象にしたようなものではない。

かつてネットの発達していなかった時代は、広告の形式は5種類しかなかった。テレビ、ラジオ、野外、チラシ、印刷物の5つ。しかし、ネットが発達した今では、広告の方法は50種類以上存在する。

ゲーム業界は最もフリーが試されている市場。

オンラインゲームの目的は、ユーザーと長期的な友好関係を築いていくことであり、いわばテレビに近い。(オンライン)ゲームの収益源は以下の6つ
1.バーチャル製品の発売
2.会費
3.広告
4.不動産?
5.実物の商品

無料音楽→ファンの獲得→コンサートや広告収入

「作家の敵は著作権侵害ではなく、世の中の人に知られていないでいること」

本をレビューするブロガーに自書を送る?

 

10章:無料経済はどのくらいの規模なのか?

フリーは一つで大きな国家規模の価値と経済を持つ。

 

11章:ゼロの経済学

「ベルトラン競争」:競争市場においては、価格は限界費用まで下落する
(無料は単なる手段ではなく、必然的にたどり着くものである)

ネットの世界では、限界効用はユーザーがそのサービスや商品にどれだけ依存しているか、そして、サービスの質や特徴の特筆性に左右される

フリーはあらゆる市場で効力を発揮するが、グーグルやヤフーなどのすでに最大化戦略を容易にとることのできる企業には勝てない。唯一勝つことができるのは「アイデア」や「創造性」のみである。常に創造的に考え、試し続けること。

消費者がお金を払う理由が「支払い能力がある」から「必要だから」に変化した。

フリーライダー(公平な一人分の資源を超えて消費する。ルールや規定を超えて消費する。)人はネット上では問題にならない。その理由は、

1.フリーライダーが消費する資源のコスト自体がネットではもはやほぼない
2.ネットでは母数が大きすぎるので、1%でもフリーライダーではない人々が存在すれば成立する

 

12章:非貨幣経済

ハーバード・サイモン
「情報が潤沢な世界においては、潤沢な情報によってあるものが消費され、欠乏するようになる。そのあるものとは、情報を受け取ったものの関心である。つまり、潤沢な情報は関心の欠如を作り出すのだ。」

「私たちは潤沢でないものに価値を見出すので、あらゆる潤沢さは新しい希少性を生み出す

マズローの欲求5段階説と同じような構造が情報においても当てはまる。
まず基本的な知識や娯楽への欲求が満たされると、自分の持っている知識や娯楽について正確に把握できるようになり、その過程で自分自身のことや自分を動かしているものについてもっと勉強するようになる。そして、最後に自分独自のものを作り出すような、創作に対する精神的な報酬を求めるような作り手になっていく。

経済学とは「希少な資源をめぐる、人間の選択の科学」

贈与経済=「他人に何かを分け与えることで成立する社会」はどこにでも存在する。Amazonのレビューや映画のレビューサイトなど。世の中には何かを作り出し、それを無償で提供する人々が多く存在する。

人が無償で何かを提供する理由は「啓発された利己主義」である。他人のためというよりは、自分のために、楽しくなるために、何かを言うために、注目を浴びるために、自分の考えを広めるために、人は無償で何かを提供する。

マズローの自己実現の欲求は創造的で、個性的なものを発揮することでしか満たすことができないが、普段の仕事で満たすことは難しい。そのため、人々はネットを使って自分の特異性や創造性を発揮しようよする。自分の余剰時間を最大限、自分の特別性を示すために利用しようとする。そして、それをタダで配ることこそが、成果を最大化することを知っている。

 

13章:(ときには)ムダでもいい

世代が違えば希少だったものは潤沢なものになる

「ありうべき空間の完全な調査」を行うためには、数を打つことが最も効果的。だからこそ生物は多くの失敗をするし、子孫を多く残そうとするし、DNA単位での変化が起こる。

数を打つことでムダになることは確かにあるが、そのムダを積み重ねることで、あらゆる可能性を考慮できる。=「タンポポの考え方」

ユーザーが求めるものは、特にyoutubeでは、「質が悪くても求める内容にマッチしているもの」である。

そして様々な動画がひしめき合うYoutubeこそが、潤沢な資源のもとで繰り広げられる「ありうべき空間の完全な調査」である。

(ただし、現在ではYoutubeの動画にはある程度の質が求められる。なぜならお金を生む手段の一つになっているから。そして視聴者は時間という対価を支払っているから。)

 

14章:フリー・ワールド

コピー商品は自身の人気を最大化してくれる、最も効率がよいマーケティングだと考えている。
特に音楽業界(米津とか)

儒教の考え方では、「他人の真似をすることは、敬意の表れ」である。そして、中国ではコピー品と正規品は全く違う価格帯の別の商品であって、マーケテットでは別々の分野に属している。

コピー品と正規品はどちらも相手の役に立っている。

・コピー品は正規品の知名度の上昇をもたらす。
・そしてコピー品によって正規品の特別性が普遍性に置き換わる。
・その上で新たな独自性を持った正規品が生み出される。
・正規品を必要とする人と、コピー品を必要とする人の社会階級は別々であるので、コピー品と正規品はどちらも売れるようになる。

 

15章:潤沢さを想像する

SF小説には不文律がある
「物理学の法則を破るものは、一つの小説につき一つか2つまで。それ以外は現実世界を踏襲する」

SFは「希少なものを潤沢なものに変える」思考実験を行っている。
年齢、資源などを全て潤沢なものにすると、「人間はどのような行動をとるのか?」という哲学的思考実験こそが、SF小説。

SFは潤沢にあるものを私たちが想像できないことを教えてくれる。足りないものを追いかけて、足りないものが手に入ったらすぐに次に足りないものを追い求めるものが人。だからこそ、希少性こそが日の目を見る。

 

16章:「お金を払わなければ価値のあるものは手に入らない」

フリーに対する誤解を解くための章

経済では、基本的に保存則が働く。→フリーとみなせるほど価格を抑えることができる。

フリーでは広告収入だけでなく、「フリーミアム(一部が有料商品を買う)」を生み出す。

ネットでは主に「注目」と「評価」という二つの非貨幣価値が情報やコンテンツの価値を決める。

フリーは海賊行為を助長しない。海賊行為が起こるのは、実際の価値や質が値段よりも低いと市場が気づいた時だから。もともとフリーなものに海賊行為は発生しない。

フリーによって得た評価や注目を、どのように金銭に変えるか?を創造的に考えなければならない。
「自分のe-bookをいくらで買うか読者に決めてもらう」
「作者の究極の目的は読んでもらうこと。お金はその後。」

 

結び

無料のものやサービスが有料のものと釣り合って発展する必要がある。

起業家は消費者に「好きだ!」と思わせるような商品を開発するだけでなく、それにお金を払いたいと思わせなければならない。

 

巻末付禄

巻末付録はアイデアの倉庫になる。

フリーに根差した思考法の10原則

1.デジタルのものは遅かれ早かれ無料になる。
狭小市場では、価格は限界費用まで落ちる。フリーは必然の現象である。

2.アトムも無料になりたがるが、ゆっくりとした足取りでしか無料にならない。
現実世界のものは確実に無料になるが、そのスピードは遅い。ただし、コアコンセプト(コアプロダクト)を無料にすることで、魅力的な商品販売を行っている企業はすでに山のようにある。

3.フリーは止まらない。
フリーを止めようとするくらいなら、フリーを利用する

4.フリーからもお金儲けはできる。
フリーの周りにはいくらでもお金儲けの手段が転がっている。

5.市場を再評価する。
市場の客観的評価。立ち位置の評価。

6.ゼロにする。
真っ先に無料にすればよい

7.遅かれ早かれフリーと競い合うことになる。
絶対に他の誰かが新しい方法を考える。取るべき手段は「無料にして別の個所で利益を生み出す」もしくは「圧倒的な差別化」

8.無駄を受け入れる。
無視できるほどまでにコストが下がっているのならば、それを気にする必要はない。

9.フリーは別のものの価値を高める。
潤沢さは希少性を生み出す。

10.希少なものでなく、潤沢なものを管理する
企業文化は「失敗するな」から「早めに失敗しろ」に変化する

フリーミアムの戦術の具体例

1.時間制限
2.機能制限
3.人数制限
4.顧客タイプによる制限

 

適切な無料と有料のユーザー比は?
・ネットゲーム業界は有料ユーザーが5~10%を維持している。
基本的には10%前後を目指す。
10%以上ではフリーの機能を制限していると考えられる。
10%以下では無料ユーザーを支えるコストを賄えない。

ビジネスが軌道に乗るまでは積極的にフリーを利用する。

 

日本語版解説

常に自分のビジネスにおけるフリー化の最適点を模索する努力を忘れない。

 

疑問

読書前に私が立てた疑問点への回答です。内容理解の参考にしてください。

メタ認知読書に従った、内容を理解するための質問事項です。

・どうやって無料からお金を生み出すのか?

様々な方法がある。広告収入などの第三者が参入する事業や、個人情報の入手、一部の利用者が有料なものを買う、など。フリーの周りにはいくらでも利益を生み出すアイデアが転がっている。

 

・一番人気のあるコンテンツを有料にしてはいけない理由とは?

一番人気のある商品こそ無料にすることで、集客と信用の獲得につながるから。ただし、ある程度事業が軌道に乗って、既に多くの信用(ブランド)と顧客を獲得しているのならば、一番人気のある商品を無料にする必要はない。

 

・95%を無料にしてもビジネスが可能?

一部の利用者がお金を払う「フリーミアム」という戦術を利用すれば可能である。だが、利益を生み出す利用者が5%だけというのは、少し心もとない。無料ユーザーの維持ができない可能性がある。10%の有料ユーザーの獲得を目指すこと。

 

・「無料のルール」10個が意味する具体的事項

既出。無料のルールから考えられる質問事項を以下に書いてみる。

「いつ?何をフリーにする?」
「フリーをより多くの人々に届けるためにはどうすればいい?」
「フリーから利益を生み出すためにはどうすればいい?」

 

・「フリーの心理学」とは?

人々は考えることを嫌う。その商品が1銭でもお金を払う価値があるかどうかを判断することが嫌い。だからこそ、本当に欲しいものでなくても、お金を払う判断をしなくて良い無料商品を選びやすい。

しかし、無料なものは「価値や質の低下」を消費者に感じさせることがある。また、フリーなものは潤沢にあると思われるため、大事に扱われないことがある。

 

なぜ自分にとってこの本を読むことが大事なのか?

・これからフリー戦略をとっていく可能性があるから
・フリーをどうすれば有料に変えることができるのか知りたいから
・サブスクリプションモデルのビジネスを将来考えるかもしれないから

 

参考文献

 


フリー 〈無料〉からお金を生みだす新戦略

 

 

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